MARIN(オランダ海事研究所)との研究協力

MARIN

海上技術安全研究所では海外の研究機関と研究協力について協定を結んでいます。

これにより研究資源の有効利用、成果の相互活用等が図られ、新たな研究テーマの創造、研究スピードの増進、成果の増大と普及拡大等につながることが期待されています。

平成14年11月4日オランダ海事研究所(MARIN)(ワーゲニンゲン市)との間に研究協力に関する包括的な協定を締結しました。


写真:協定締結し、握手をするGeorge F.M.Remeryオランダ海事研究所理事長と中西堯二海上技術安全研究所理事長


研究協力の成果がIMOへの提言へ


 上記の協定に基づき、当研究所海上安全研究領域(当時)の小川剛孝主任研究員がMARINに滞在して、船舶の実海域における復原性について共同研究を実施しました。

 先般、大型旅客船に関する共同研究をまとめ、オランダと日本との共同文書としてIMOの第46回復原性・喫水・漁船安全小委員会(SLF46)に提出しました(文書SLF46/6/12)。この文書では、日本で開発した手法を用いて大型旅客船の荒天(波浪及び風)時の転覆確率を求めると共に、MARINの水槽で実施した模型実験の結果を紹介し、両者を比較検討しました。結論として、現行の復原性基準で規定している大型旅客船のKG(重心高さ)が転覆確率に大きく影響を及ぼすこと、大型旅客船のように風圧側面積の大きい船の転覆確率を正しく評価するためには波浪と共に風も考える必要があること等を示しました。これらの結果に基づいて、大型旅客船についてはIMOの復原性基準(IMO Intact Stability Code)を見直す必要があることを提言しました。

MARINの水槽で模型実験を行う様子