船舶信頼性情報データベース

NMRI DATABASE

 国内主要船社が運航するM0外航船の搭載機器の信頼性調査と評価の実施を目的とした船舶信頼性調査は、産官学の協力体制のもとに船舶信頼性調査委員会(S&O財団)によって1982年から実質的な活動が開始され、1994年から海技研が引き継いで1999年まで継続されました。この船舶信頼性調査の活動成果として構築されたデータベース・システムが、船舶信頼性情報データベース(SRICデータベース)です。国内主要船社の調査活動によりデータベースとして集積・整理された舶用機器に関する警報発生及び故障発生のフィールドデータの総数は約11万5千件となっており、これらのデータが海技研が開発したデータベース・システムに入力されることによりパーソナル・コンピュータ上に汎用リレーショナルデータベース・システムとして構築されています。このような大規模なデータベースは世界的にも他に例を見ないものです。


 開発当初、SRICはメインフレーム上において汎用言語によるシステムとして構築されましたが、その後ワークステーション:EWSをハードウェアとして再構築され、更に1996年3月にはSRIC Ver.2.1(EWSをハードウェアとしてグラフック機能が付加されたシステム)となり、そしてSRIC Ver. 3.0(PCをハードウェアとして汎用リレーショナルデータベース・エンジンを導入したシステム)の構築が実現しました。この結果、SRICは、リレーショナルデータベース・システムとしてデータ抽出や単純統計の実行のみならず、舶用機器の信頼性の経年変動や修復率、稼働率、配員指数などの信頼性指標値による評価機能を持つことによって潜在する質的な情報の評価が可能になっています。ここでは、このデータベースによる   故障機器の分類   評価結果の一部 を掲載しています。詳細についてはtizai[at]m.mpat.go.jpにお問い合わせ下さい。

図1船舶信頼性調査とデータベース・システム


表1 SRICにおける舶用機器信頼性情報の現況
Total Data [case]114707
Failure Data [case]77420
Ships [vessel]265
Failure Rate: λ[case/1000h]7.246
Work for Repair : mh [man・h:MH]5.0
Influence Time: IM [min](※1)4.9
Manning Index: MI [MH/1000h](※2)36.22
※調査期間:1982~1999年
※1:各機器の故障等が主機に影響を及ぼした平均時間
※2:Failure Rate×Work for Repair