独立行政法人 海上技術安全研究所(理事長=茂里一紘)は、エムエイチアイマリンエンジニアリング(株)様 からの依頼により、同社とともに実用化開発中の「相手船動静監視システム」(他船情報を可視化する舶用 ヘッドアップディスプレイ)の性能及び品質の確認試験を実施しております。同システムは、当研究所が開発 した他船情報の統合表示システム「目視認識支援装置」の成果を基にJRTT(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)様の 「高度船舶技術実用化助成制度」により同社が助成を受けて小型化・低コスト化を中心とした商品化に取り組んでいるものです。
船上で得られる他船の情報は飛躍的に増大しており、今後、これらの情報を的確に読み取り、 操船支援につなげていくことが求められます。こうした情報の読み取り・理解にはある程度の技能と労力が 必要であり、レーダー、ECDIS等の航海計器を操作する頻度も増えるため、最も重要である目視による 状況認識と得られた情報の確認が疎かになる可能性が増しています。
「相手船動静監視システム」は、相手船にシステムを向け、システムの上部に設置されたヘッドアップディスプレイを 覗き込むだけで、AIS(船舶自動識別装置)情報またはレーダー情報が船影上に重畳表示され、容易に相手船の 情報を取得できます。
来る4月17日(水)、今回実用化開発中の「相手船動静監視システム」を操船シミュレータに取り付け、 参加者の皆さまには模擬航海中の同システムの操作・表示をご体験いただきます。