SRI NEWS
昭和49年に当研究所に中央電子計算機が稼働し始めてから20年余りが経過し
ました。この間、計算機の性能に対する研究者の要望や世の中の計算機性能のア
ップにともない、5ないし6年の周期で機種が更新されてきました。
今回の更新においては、「中央集中か分散か」ということで熱い議論が戦わ
され、最終的には「ある程度中央の機能を残した分散型」を目指すことになりま
した。使い勝手の良さを仕様の第一に掲げ、計算機の性能、アプリケ-ション・
ソフトの豊富さと併せて大きな検討項目としました。
これらの検討の結果導入された新しいシステムは、YHPの9000シリーズを中
心とした分散システムで、中央の計算サーバ能力も各部のワークステーションを
あわせて、操作の手軽さと計算機の容量、性能が格段にアップするとともに、24
時間フル稼働できるようになりました。また、時代の要請に応じてアプリケ-
ション・ソフトや周辺機器の充実を図り、計算結果の可視化、構造強度解析、そ
の他のデ-タ解析ツ-ルを搭載し、船舶の損傷解析等、様々な行政要望にも対応
できる環境を整備しました。これらシステムの構成を図に示します。
所内のネットワ-クも、従来は、未整備であった管理部庁舎内や所内各所に
散在する実験棟にまで拡張しました。当研究所ではこれら新しいネットワ-クシ
ステムを利用して、科学計算能力の向上だけでなく、事務の正確性、迅速性を目
指すOA化を積極的に進めることとしています。第一段階として、管理部門と所内
の各研究部間の情報をパソコンでやり取りできるようにし、会計業務のOA化を進
めています。また、図書館業務のOA化を進め、貴重な蔵書の散逸、風化を防ぐと
ともに、学会誌等に掲載されている論文が、各研究室にいながら簡単に検索でき
るようになりました。今後はさらに、総務関連の業務や、研究企画業務のOA化も
順次推進していくことにしています。
計算サーバ(ワーク
ステーション・クラスタ)