SRI NEWS
船研主催、米国大使館環境科学技術部協賛によるUJWST (US-Japan Technical
Workshop on Shipboard Wastes Treatment Technology)は本年9月19、20日に
中野サンプラザにおいて開催されました。本会議における発表論文数は28、登録
者数108 ( 米国人15 ) 名でした。
本会議は、現在海洋投棄や陸上で処理されている船舶からの排出・廃棄物を
船上で一括処理するシステムの技術を討議することを目的としています。21世紀
に向けてのクリーンシップ計画の一端を担う分野の会議として、大変期待されて
います。汚水の浄化、油水分離、ごみの焼却あるいは溶融、プラスチックの分解
等船舶部門では,本格的に研究に取り組まれていなかった分野も含まれているた
め、陸上で先行している研究者の参加を得ることにより、バラエティーに富みか
つ活発な討議がなされました。発表は全て英語によってなされたにも関わらず、
会場は常に満員で全ての発表に熱心な討議があり、始めての試みにも関わらず成
功裡で終了することができました。
環境問題は陸上、海洋を問わず今や国際的にも非常に重要な課題となってい
ます。したがって本会議に関しての関心の高さは当然とも言えますが、陸上での
巨大処理施設の技術を限られた空間の船舶に移入することは簡単ではありません
。また、余暇時間の充実と多様化の一環として、オーシャンクルージングが盛ん
になりつつあり、客船、カーフェリー等多くの乗・客員を搭載する船上での環境
浄化技術の向上は今後の課題の一つとして検討する必要があります。本会議で得
られた多くの知見が今後の船研の研究に生かされることにより、会議は真に成功
したと言えましょう。そのためには研究者一人一人の自覚を促す必要があります
。一方、船研一組織だけでなく、運輸政策局、海上技術安全局、海上保安庁、そ
の他関係諸官庁・団体等との情報交換、協力体制が必要なことは言うまでもあり
ません。