船舶技術研究所ニュース № 17

SRI NEWS

研究課題の外部評価制度の導入について


1.背景

 当研究所では、従来から研究課題についての評価を内部の評価委員会(研究総合委員会(委員長:当所次長))
により厳正に実施してきており、所期の成果をあげています。政府は、「科学技術基本法」(平成7年1 1月施行)をうけて、「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」(以
下「大綱的指針」)(平成9年8月)を定め、国の研究機関に対して研究課題の厳正な外部評価の実施を課するこ
とを決定しました。このため当研究所としても、迅速な対応を図り、本年3月から外部評価制度を導入することに
したものです。
2.目的
 当研究所が実施する外部評価は、「大綱的指針」に記述されているとおり、①研究開発のより効率的・効果的な実施、
②国民への研究開発実態の開示、を目的としています。具体的には、外部の新たな視点からの意見を取り入れるこ
とにより、研究開発の意義や方向性を検討し、効率的・効果的に研究開発を実施していくこと、また、研究内容が
一般国民にわかりにくくなってきたことに対応し、厳正な評価プロセスを構築の上「研究開発の評価を実施し、一
般国民にその内容を明らかにすることにあります。
3.外部評価システムの概要
 当研究所で実施する外部評価は、政府の「大綱的指針」及び同指針をうけ運輸省が平成10年2月に定めた「運
輸省研究開発評価指針」に基づき、当研究所の研究環境を勘案のうえで、以下の内容で実施することにしました.
(1)評価方式
外部の専門家からなる委員会(委員長:東京大学大学院 野本教授)により実施します。
(2)評価者
評価者は以下の考え方に基づき選出しました。
①評価対象分野に精通する学識経験者、
②他省庁国立試験研究機関等の研究者、
③評価対象分野のメーカー等の専門家、有識者。
(3)外部評価の対象とする研究課題
当研究所が実施する運輸省特定研究課題等を対象とします。
(4)評価時期
原則として事前・事後評価の各時期に行うものとします。また、5年以上の研究期間を有するものは3年を目安
として中間評価を実施します。
(5)評価項目
評価項目は「運輸省研究開発評価指針」に基づくものとし、評価種別ごとに表1に示します。
表1 評価種別と評価項目
評価種別 評価項目
事前評価 ①研究開発の手段・意義等
②研究計画の必要性
③上位計画との整合性
④研究開発計画の適切性
中間評価 ①研究開発の進捗状況
②成果の検証(副次的成果を含む)
③研究開発をめぐる外的条件の変化の有無
④研究開発計画の検証等(評価後の計画を含む)
⑤事前評価の検証
事後評価 ①研究開発過程の検証
②成果の検証(副次的成果を含む)
③研究開発をめぐる外的条件の変化の有無
④研究開発計画の検証
⑤事前(中間)評価の検証

(6)評価結果の取扱い
 評価結果については、個人情報、知的所有権の取得等に配慮しつつ、原則としてー般に公開するとともに、研究
計画の見直し等に反映させます。
4.あとがき
 以上述べましたように、当研究所では重要な研究課題について外部専門家により厳正な評価を開始するとともに、
その結果等については逐次当研究所のホームページ上で開示するための作業を進めています。