SRI NEWS
就任の挨拶 |
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船舶技術研究所長 足達宏之
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プロジェクト紹介 Project research 船舶流体抵抗のさらなる低減をめざして ~次世代CFD、マイクロバブル、LEBU 船舶の流体抵抗を低減させ、燃料消費を減らすことは、経済性を向上させるとともに、窒素酸化物、硫黄酸化物などの有害ガスや、地球温暖化の主因である二酸化炭素の排出抑制につながります。 |
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Q:抵抗低減法として、どのような手法を研究しているのでしょうか? A:マクロとミクロという2つのアプローチを設定しました。マクロのアプローチとは、船型を最適化する際の新しい手法です。これはある船型から出発して、定められた条件を満たしつつ、抵抗が最小になるように船体が自動変形するというものです。我々は、船の周りの流れを数値計算によって推定するCFD(数値流体力学)を得意としていますが、これに船体形状を自在に表現するCAD(コンピュータを用いたデザイン)を組み合わせてできた技術です。
A:図2に一例を紹介します。グラフの横軸はこの手法を用いた最適化計算のくり返し回数を示していま
A:船底表面の摩擦抵抗を小さくする装置の開発です。船が水から受ける抵抗の大部分は摩擦抵抗で
A:マイクロバブルの方は、微細な気泡によって乱れを抑え、摩擦抵抗を低減させようというものです。図3にそのイメージを示します。基礎実験では最大80%もの抵抗低減効果が確認されました。タンカーなどの肥大船は平らで広い船底をもっていますから、気泡が船底に保持されやすく、この手法に適した船型であると言えます。しかし一方で、広い船底を覆うため多くの気泡発生が必要になりますから、エネルギー消費も大きくなります。正味の抵抗低減効果が高くなるように、システム的な検討も行う必要があります。
図3 マイクロバブルイメージ図
図4 LEBUの概念図
A:マイクロバブルについては、まず専用の流路を作って実験し、低減効果を高めるには壁の近くに気泡を集めるのが効果的であることがわかりました。次に、当所の400m水槽で大型平板船を使った実験を行いました。従来、マイクロバブルによる抵抗低減効果は、気泡放出口からせいぜい1m程度下流までしか調べられておらず、その結果から実船の場合の低減効果を推定することには無理があります。本研究では400m水槽の長さを生かし、大型平板船の長さを12m、28m、50mと次第に大きくして、最大50m下流までの抵抗低減効果を調べることができました。今後、さらに実船実験に発展させていく予定です。 |