SRI NEWS
プロジェクト紹介 Project research![]() |
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Q:LCAとはあまり聞き慣れない言葉ですが、どのようなものでしょうか。 A:製品の一生(ライフサイクル)を考えて環境に与える影響を評価する方法のことで、ライフサイクルアセスメントといいます。例えば船であれば、船を造るのに必要な原材料を採取する段階、実際に船を造る段階、そして船を使って人やものあれば、船を造るのに必要な原材料を採取する段階、実際に船を造る段階、そして船を使って人やものを運ぶ段階 船を解体する段階、解体された資材をリサイクルしたりして、最終的に廃棄する段階までといった船の一生を検討の対象とします。(図1参照) ![]() |
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図1 船舶のライフサイクル |
図2 LCAの枠組み |
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Q:環境に与える影響を評価する方法は他にもあると思うのですが「LCA」の特徴というとどのようなものですか。
A:例えば、工場から排出される物質の量を調べて周りの環境にどれ位影響があるとか、今の季節だと海水浴場の水質を調べて、今年は安全に泳げるかどうかといった様な環境に関する調査はよく行われています。こういった調査は、ある意味では地域的、時間的に限定されたものが多いのではないでしょうか。LCAは、ある製品に着目して、その製品の一生を通しての環境影響を考えるところに特徴があります。 ![]() |
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Q:具体的には、船研ではどのようなことをやられているのですか。
A:現在は、船の一生の中で使用する資源やエネルギー、環境に対する排出物などの種類や量を把握するというところを中心に研究しています。85,000トンのオイルタンカーを例にとって、このタンカーの生涯がどのような工程から成り立っているのかを詳細に調べて、各工程毎にどれ位のものの出入りがあるのかを調査しています。現在、対象とした船のライフサイクル全体を通しての大まかな評価ができたところです。 ![]() |
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Q:LCAは、どういったものに活用されるのですか。 A:先ほどCO2 の削減の話をしましたが、CO2 削減だけでなく環境に優しい製品を作るのに役立ちます。LCAを実施すると、環境に影響を与えるものの各工程からの排出量が分かりますから、どこを改善すればより環境に優しくなるのかということが判断できるようになります。 ![]() ![]() |
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Q:最後に、今後の展望といったものを教えて下さい。 A:LCAはまだまだ新しい考え方で、特に船舶の分野では、まだその研究は緒についたばかり、といったところです。今の段階では有用なデータを集めることだけでも大変苦労しています。今後は、今まで以上により詳細なデータを調査収集して研究の精度を上げていくことを考えています。また、現在は限られた船種を例として検討しているので、もっと多様な船種についての検討もやっていきたいと考えています。 ![]() ![]() |