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59<>2013/06/14<>日本航海学会から学会賞を受賞<>
平成25年6月14日
独立行政法人 海上技術安全研究所

日本航海学会から学会賞を受賞

 日本航海学会が5月30日、都内で開催した定時総会で、当研究所の福戸淳司グループ長に論文賞が贈られました。

【日本航海学会論文賞】

 「相手船による妨害ゾーン(OZT)を用いた衝突警報の検討」
 運航・物流系の福戸淳司グループ長と東京海洋大学の今津隼馬名誉教授が共同執筆しました。
 近年の情報通信技術の発展による船舶自動識別装置(AIS)の普及とレーダによるARPA機能の向上に伴い、遭遇他船の情報を容易に得ることができるようになりました。しかし、従来の最接近距離解析(CPA解析)に基づく衝突警報機能では、警報の多発を招き、警報音を消されるなど、その機能が十分に使用されないという問題が起こっています。
 一方、当研究所では、東京海洋大学と共同で新しい避航操船支援情報として、相手船による妨害ゾーン(OZT)の研究を進めており、多発する警報への対策として、このOZTを用いた衝突警報を提案しました。さらに、その有効性を検証するため、豊後水道を航行する船舶のAISによる航跡記録を利用して、警報の低減率を求め、一般に狭水道で用いられる条件(DCPA < 0.5nm)に対して、94%の警報を削減できた事を確認しました。