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74<>2013/08/08<>海底土セシウム137アノマリーの発見と分布調査に初めて成功<>
平成25年8月8日
独立行政法人 海上技術安全研究所


海底土セシウム137アノマリーの発見と分布調査に初めて成功

 東大生研、海技研、九工大が共同会見


 東京大学生産技術研究所(東大生研)、海上技術安全研究所(海技研)、九州工業大学(九工大)の研究グループは、福島第一原子力発電所の20km圏内および阿武隈川付近で、海底土のセシウム137の濃度が局所的に高い状態ある場所(アノマリー)を発見し、広域に渡るアノマリーの分布調査に初めて成功しました。7日、東京都目黒区駒場の東大生研で共同記者会見し、明らかにしました。
 調査には、開発した曳航式放射線計測装置を用いて、福島県・宮城県・茨城県において、総距離約400kmの海底土のセシウム137の分布を連続的に計測しました。今後の対策を検討する上で、アノマリーの分布、濃度変化、移動の理解は不可欠です。継続的にマッピングを実施し、アノマリーの移動、大きさや濃度の変化を把握して、セシウム137の沿岸域での移動の予測に役立つデータが取得できると期待されます。 記者会見には、ソーントン・ブレア東大生研特任准教授、浦環・海技研水中工学センター長/九工大社会ロボット具現化センター長・特任教授、小田野直光・海技研海洋リスク評価系長、大西世紀・海技研主任研究員が出席しました。
 なお同研究の一部は、三井物産環境基金「2011年度復興助成」、内閣府総合科学技術会議「科学技術戦略推進費」の助成を受けて実施されました。記者会見の終了後、同所で「海の放射能ワークショップ」が開催されました。

【写真左は多くのメディアが出席した記者会見のもよう。写真右は、記者の質問に答える浦センター長(右)で、中央は小田野系長、左が大西主任研究員。】