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160<>2014/09/12<>海技研の海洋開発技術への取り組み<>
平成26年9月12日
独立行政法人 海上技術安全研究所


海技研の海洋開発技術への取り組み
―SIP次世代海洋資源調査技術でのAUV開発について―


  当研究所は、これまで培ってきた海中機器に関する知見等(※1)に基づき、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)(※2)の課題「次世代海洋資源調査技術」の研究開発計画(プログラムディレクター 浦辺徹郎・東京大学名誉教授、国際資源開発研修センター顧問)における「AUV複数運用手法等の研究開発」を担務することとなっています(平成26年5月23日総合科学技術・イノベーション会議ガバニングボートにおいて承認。内閣府政策統括官<科学技術・イノベーション担当>において決定)。

 平成26年7月、予算管理機関との契約を締結し、研究開発実施体制構築のための企画競争を実施することにより、先月、以下のパートナーと契約に至りました。
■ 小型AUV等開発:三井造船株式会社
■ 洋上中継器(没水型複数管理用)等開発:株式会社IHI
■ 投入・揚収システム等開発:川崎重工業株式会社
■ 協調行動システム等開発:国立大学法人東京大学生産技術研究所

 今後、これらパートナーとともに、作業船でも運用できる小型AUVを開発するとともに、これを複数台同時に運用できる技術の開発を行い、効率的な海洋資源調査技術を確立するとともに、海洋資源調査産業の創出に貢献していきます。

開発する小型AUVの目標イメージ:
  ▼最大潜航深度2,000m
  ▼艇体寸法:胴径は直径0.8m×全長4m以下
  ▼空中重量800kg以下
  ▼速力(巡航)1~3ノット
  ▼航続時間12時間
  ▼サブボトムプロファイラー(初号機のみ)など

小型AUVを複数台運用するイメージ
小型AUVを複数台運用するイメージ


※1 当研究所における海中機器研究開発の取組

 当研究所は、船舶・海洋に関連する様々な分野での技術研究に従事しており、その一環として水中工学、流体工学を駆使したAUVの開発、運用を行ってきています。平成11~14年度「深海モニター用小型ロボットの調査」、平成16~18年度「深海モニター用小型ロボットの設計に関する研究(自律型海中ロボット『ツナサンド< Tuna-Sand>』)」を実施し、AUVの開発・運用実績を有しています。
 また、試験設備として各種試験水槽や「高圧タンク」も保有しています。

※2 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)

 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設したプログラム。CSTIにより、「次世代海洋資源調査技術」を含む10課題が選定されました。