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184<>2014/12/15<>海技研、ホバリング型AUVシステムの開発に着手<>
平成26年12月15日
独立行政法人 海上技術安全研究所


ホバリング型AUVシステムの開発に着手
海技研、SIP次世代海洋資源調査技術で追加研究


 当研究所は海中機器「ホバリング型AUVシステム」の開発に着手します。現在取り組んでいる「航行型AUVシステム」の開発に加えて、追加された新規課題にも積極的に取り組んでいきます。

 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)(※1)の10課題のうちの一つに「次世代海洋資源調査技術」があります。その研究開発計画に「AUV複数運用手法等の研究開発(高効率小型システム)」があり、当研究所が担務しています。当研究所はこれまで、さまざまな海中機器の研究開発に取り組み、知見等を培ってきました(※2)。それを基に航行型AUVシステムの開発に取り組んでいます。
 また今年7月、沖縄伊平屋海丘で沖縄海域で発見された中で最大の熱水だまりが発見されました。当該海域のより詳細な調査等が必要であり、起伏のある海底面に接近して画像データの採取等を行うことが求められました。そのような調査が可能なホバリング型AUVシステムを開発することが追加決定されました。これは10月22日、総合科学技術・イノベーション会議で承認され、内閣府政策統括官<科学技術・イノベーション担当>が決定しました。11月14日、予算管理機関と契約を締結したところです。
 ホバリング型AUVは、今年度中にシステムの完成を、来年度以降の早期運用を目指しています。なおホバリング型AUVは、単体での海底面接近調査はもちろん、航行型AUVシステムとのコンビネーションによる調査への活用も検討して行います。

参考
※1 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
総合科学技術・イノベーション会議が、自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために、新たに創設したプログラム。「次世代海洋資源調査技術」を含む10課題が選定され、研究開発計画のプログラムディレクターは、浦辺徹郎・東京大学名誉教授、国際資源開発研修センター顧問。

※2 海上技術安全研究所における海中機器の研究開発の取り組み
当研究所は、船舶・海洋に関連する様々な分野での技術研究に従事してきており、その一環として水中工学、流体工学を駆使したAUVの開発等を行っています。具体的には、平成11~14年度「深海モニター用小型ロボットの調査」、平成16~18年度「深海モニター用小型ロボットの設計に関する研究」等を行っています。また海技研では、これらの研究等のため、試験設備として、各種試験水槽や「高圧タンク」を保有しています。