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268<>2016/01/28<>「二軸荷重下の疲労亀裂」と「海流発電装置」の実験公開(結果)<>
「二軸荷重下の疲労亀裂」と「海流発電装置」の実験公開(結果)


 国立研究開発法人海上技術安全研究所(海技研、理事長:茂里一紘)は1月26日、「二軸荷重条件下における疲労亀裂伝播特性」と「海流発電装置」の実験を公開しました。

 第一部の「二軸荷重下の疲労亀裂」の公開実験には11名が参加しました。構造基盤技術系の丹羽敏男・保守管理技術研究グループ長が、研究の背景として「機械・構造物の破壊事例のおよそ8割が疲労に関連している」ことや、海事産業における大型溶接構造物の疲労損傷事故例を示しました。そのうえで、「二軸荷重条件下における定量的な亀裂成長履歴推定に基づく疲労寿命評価手法の確立」を目的として研究開発を進めたことを説明しました。
 二軸疲労の公開実験は、x方向載荷とy方向載荷の位相差が0とπを有する二軸荷重条件下における疲労亀裂伝播試験を実施し、位相差の影響により疲労亀裂の進展速度が異なることが確認できました。

 第二部の「水中浮遊式海流発電装置」の公開実験には、36名が参加しました。洋上再生エネルギー開発系の井上俊司系長が、「海洋再生可能エネルギーの当所の取り組み」、「潮流・海流発電への国内外の取り組み状況」、「公開実験の概要」を説明しました。
 海洋再生可能エネルギーの当所の取り組みでは、水槽実験、風洞実験、数値シミュレーション計算、データ解析を通して洋上風力、波力、潮流・海流の要素研究とともに、実証事業、ガイドライン作成という開発サークルを実施している状況を説明しました。潮流・海流発電の国内外の取り組み状況では、国内での実証フィールドの動きおよび研究開発プロジェクト並びに商用化計画が進んでいる欧州、中でも多くのプロジェクトが進行中の英国の状況を紹介しました。
 海流発電装置の公開実験は、流速0.2m(実機換算1.4m/秒)として、ローター2基の発電状態、1基遊転状態、1基固着状態、係留1本破断などの安全性評価上の条件を設定し実施しました。今回の実験は、国土交通省からの受託研究「潮流・海流等海洋エネルギー発電施設の安全対策のための調査研究」の一部として行ったものです。