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276<>2016/03/01<>田中研究統括主幹がSAOSから最優秀論文賞受賞<>
田中研究統括主幹がSAOSから最優秀論文賞受賞


 田中義照研究統括主幹(構造系)は、Ships and Offshore Structuresの2015年度Best Paper Awardsを受賞しました。同雑誌は、船舶海洋工学関係の国際ジャーナルで、我が国からは初受賞です。

<受賞論文>
講演論文名:Analysis method of ultimate hull girder strength under combined loads
      (Ships and Offshore Structures, Vol.10, No.5, Oct. 2015, pp.587-598)

著者:田中義照、小河寛明、辰巳晃、藤久保昌彦

論文内容:
 本研究は、複合荷重を受ける船体梁の縦曲げ最終強度を簡便に計算する手法を開発するもので、基本的にはSmithの方法に準じた2段階の解析法です。Smithの方法は、純曲げ状態にある横断面の逐次崩壊解析法であり、そのままでは捩り解析に適用できません。そこで、Smithの方法と同様に横断面を防撓パネル要素等に分割した直線梁要素を新たに考案し、それを長さ方向につなぐことにより、変断面梁の曲げ捩り解析を行う手法を構築しました(第1ステップ)。さらに、この曲げ捩り解析結果を利用して横断面の逐次崩壊解析を行う方法を構築しました(第2ステップ)。開発手法の最大の特長は、両ステップにおいて横断面の要素分割を共用できる点であり、解析モデルの作成工数についてもFEM解析と比較して圧倒的に有利になります。
 本論文は、上述のような実用的縦曲げ最終強度評価法の構築およびその妥当性の検証を目的として実施した研究の成果をまとめました。