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323<>2016/10/21<>400m水槽50周年記念講演会を開催<>
400m水槽50周年記念講演会を開催

 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(略称:うみそら研、大和裕幸理事長)は19日、三鷹市にあるうみそら研海上技術安全研究所(海技研)で三鷹第二船舶試験水槽(400m水槽)50周年記念講演会を開催しました。講演及びパネルディスカッションを通して水槽の今後について意見を交わしました。国土交通省、大学をはじめ、造船、海運界の技術者、研究者と海技研の研究者など約150名が参加しました。

 講演会では、うみそら研の大和理事長が基調講演「試験水槽新時代に向けて」と題し400m水槽の実績や現在の世界の水槽不足や老朽化について言及し、水槽試験のロボット化、国際化など今後の新展開に期待を表明しました。続いて、海上技術安全研究所流体設計系の星野邦弘副系長が「新しい水槽試験技術」、流体設計系の上入佐光系長が「新技術開発のための水槽試験」と題して、現況の説明とともに次世代技術について様々な提案を行いました。

 外部講演者では、川重マリンエンジニアリング株式会社明石船型研究所の箙一之所長が「明石船型研究所の現状と将来について」、ジャパンマリンユナイテッド株式会社技術研究所試験解析グループの大森拓也グループ長が「長水槽の展望」、株式会社三井造船昭島研究所の木村校優技術統括部長が「水槽の現状や将来」、今治造船株式会社の藤田均常務取締役が「水槽計画のご紹介」、三菱重工業株式会社総合研究所研究部流体第一研究室の松本大輔主席研究員が「三菱長崎水槽の現状と将来の展望」、広島大学大学院工学研究院エネルギー・環境部門の安川宏紀教授が「広大水槽の現状と将来像」と題して、講演を行いました。

 パネルディスカッションは、海技研の谷澤克治特別研究主幹がモデレータ、講演者がパネラーとなって、水槽試験の高効率化、新しい計測技術の開発動向、水槽ビジネスの戦略等、水槽の将来像について議論を交わしました。

 400m水槽は、長さ400m、幅18m、深さ8mで1966年10月に稼働を開始しました、現在もなお国内最大の曳航水槽です。超高速船、省エネ船型、省エネ装置の開発など、その時々の要請に対応する開発が進められてきました。おそらく世界最長の模型船である50m長尺平板模型船による空気潤滑法の試験も実施しています。