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333<>2017/01/31<>フィンランド運輸省からアイスクラス試験認証を取得  氷海水槽で模型航走実験を公開<>
フィンランド運輸省からアイスクラス試験認証を取得
氷海水槽で模型航走実験を公開

 耐氷船規則のデファクトスタンダードであるFinnish-Swedish Ice Class Rules(FSICR)では耐氷船階級(アイスクラス)に応じて満足すべき構造強度、プロペラ及び軸系の強度並びに主機関の出力に関する要件が定められています。このうち主機出力要件は氷海水槽試験で求めることができるとされており、海技研の氷海水槽は、FSICRを所管するTrafi(Finnish Transport Safety Agency)から、その手法が妥当であることについて認証を取得しております。
 海技研の氷海水槽がTrafiから認証を取得したのは、長年にわたる氷海研究能力の水準が客観的に高く評価されたものといえます。これにより北極海航路や氷海用船舶に関する研究の幅がさらに広がります。また、氷海水槽でFSICR主機出力要件の確認も可能となったことから、国内におけるアイスクラス船の建造にも貢献することができるようになりました。

 海技研では、1月25日にFSICR及びそのガイドラインに規定されている方法に則って氷中の航走試験を実施し、約60名の関係者を招いてその様子を公開しました。はじめに宇都正太郎特別研究主幹が、氷海水槽および実験の概要について説明した後、実験を見学いただきました。実験では、ばら積み貨物船が規則で定められた特殊な氷海中を5ノットで航行する状況を再現しました。詳細は こちらをご覧ください。

写真左:実験概要を説明する宇都特別研究主幹
写真右:氷中の航走試験