PRESS RELEASES
現在、一般財団法人日本海事協会において、船体構造に関する鋼船規則C編の見直し作業が行われています。その中の検討課題の一つとして、最新の耐航性理論を活用した船体運動、波浪荷重、変動水圧に対する波高の非線形影響の評価があります。これは、規則においては「非線形影響係数」等の形で考慮されています。しかし、非線形現象の複雑さも相まって、近年の理論および実験技術の進歩を考慮しますと、それら係数の技術的背景が十分であるとは言い切れない側面もありました。そこで、様々な船型に対する波高非線形影響について技術的な根拠を補強すべく、当所実海域再現水槽において、不規則波中の模型船曳航実験を実施しています。本実験では、波浪中変動水圧の船体表面分布を明らかにするため、模型船に300点以上の表面貼付型FBG(Fiber Bragg Grating)圧力センサを設置した多点計測を行っています。FBG圧力センサは、光ファイバを利用したセンサであり、電磁ノイズの影響を受けず、また直列に接続して同時に多点の計測を実施することができるという特徴があります。
公開実験では、ばら積貨物船模型の大波高不規則波中曳航実験をご覧いただく予定です。
写真1:実海域再現水槽
写真2:PCC模型実験風景(6月実施)
リリース文はこちら プレスリリース