PRESS RELEASES
平成30年9月の台風21号の影響で発生した関西空港連絡橋への油タンカーの衝突事故など、走錨に起因する重大事故が続発しています。当所では国土交通省から委託を受けて、船長や乗組員に自船の走錨危険性などの情報を提供するソフトウェアの開発を行っています。
開発しているソフトウェアの中核は、走錨の主要因とされている錨泊船の振れ回り運動と錨鎖張力の推定プログラムであり、当該プログラムの精度検証等のために、海洋構造物試験水槽(写真1)で波・風中の錨泊船の振れ回り運動に関する模型実験(写真2)を行いました。
今回の模型実験では、錨泊する方法を変えた場合や、錨泊中にプロペラ・舵・サイドスラスタを操作した場合について、模型船の運動や模型船取付け位置における錨鎖張力の計測に加えて、水中における錨鎖の形状や錨位置における錨鎖張力の計測を同時に行いました。
公開実験の当日は、実際に想定される広範囲な状況で行った実験について、ビデオ画像や計測データを紹介させて頂き、参加された皆さまからのご質問にもお答え致します。
走錨とは、錨泊している船体に作用する波や風による外力が錨と錨鎖による係駐力より大きくなり、錨を引きずって船が移動する現象。走錨を始めると船を制御するのは困難とされています。
海洋構造物試験水槽は、長さ40m、幅27m、深さ2mの矩形の水槽で、X-Y曳引台車、造波装置、潮流発生装置、送風装置を装備しており、係留された浮体式海洋構造物や船舶等の挙動計測試験に適した水槽です。
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