プレスリリース

PRESS RELEASES

令和4年3月11日
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所

風車タワーに船首接舷した洋上風力発電アクセス船の波浪中運動を
評価するための水槽模型試験を公開

※本公開実験につきましては、定員に達したため募集を締め切りました。
 後日、実験の動画を公開予定ですので、ご了承ください。

 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 安部昭則)は、令和4年4月25日、洋上風力発電アクセス船が風車タワーに船首接舷した状態での波浪中運動性能を評価するための水槽模型試験を公開します。

 洋上風力発電施設を適切に維持管理するためには、陸上から洋上にある発電施設(風車タワー)へ作業者や物資を定期輸送する必要性があります。そのような場面では、カタマラン(双胴船)等の小型高速船が洋上風力発電アクセス船(Crew Transfer Vessel(以下、CTVという))として使用されます。波の中で大きく動揺するCTVから風車タワーに作業者が乗り移ることは非常に危険を伴うため、波の中での運動を最小化することを目的に、作業現場では一般的にCTVの船首を風車タワーに強く押し付けた状態で作業者の乗り移り作業が行われます。

 船首部を風車タワーに強く押し付けることで、CTVの動揺を抑制することが期待できますが、船首とタワー間に新たに生じる摩擦等が動揺に強く影響を及ぼすため、一般的な浮体運動とは異なります。したがって、水槽実験を通じてその影響を明らかにするとともに、その評価手法の確立が必要となります。

 当所では、CTVに関する研究をこれまで実施してきており、風車タワーへ船首接舷した状態での運動性能評価プログラムの開発を行ってきました。このプログラムを活用することで、CTVから風車タワーへの乗り移り作業時を対象とした安全性の評価のみならず、発電ポテンシャルが高いと言われている日本沿岸の対象海域における運動性能評価に基づき、使用するCTVのスクリーニング等への応用が可能になります。

 今回の公開実験は、代表的なCTV船型(カタマラン)の縮尺模型を使用し、着底式風車タワーに船首接舷した状態での波浪中運動性能評価を目的とした水槽模型試験をご覧いただくものです。当所の海洋構造物試験水槽に来所していただき、縮尺模型が運動する様子を直接ご覧いただきます。また、水槽試験のみならず、当所が進める関連研究についても、併せてご紹介させていただきます。


CTV縮尺模型(カタマラン船型)
CTV縮尺模型(カタマラン船型)
水槽模型試験を実施する海洋構造物試験水槽
水槽模型試験を実施する海洋構造物試験水槽

  1. 日時:令和4年4月25日(月)10:00~11:00
  2. 開催場所:海上技術安全研究所 海洋構造物試験水槽
     来所形式での実施のため、配信予定はございません。
  3. 定員:若干名(先着順)
     施設スペースの都合上、人数制限を設けさせていただきます。様々な組織の方に
     ご参加いただくために、1組織当たり1名のお申込み・受付とさせていただきます。
     なお、ご来所いただけなかった方のために、後日、実験の動画を公開予定です。
  4. ※定員に達したため、募集を締め切りました。
  5. お問い合わせ先
    • 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
    • 海上技術安全研究所 企画部広報係 
    • Tel:0422-41-3005  Fax:0422-41-3258
    • E-mail:info2@m.mpat.go.jp
    • URL:https://www.nmri.go.jp/

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