プレスリリース

PRESS RELEASES

令和5年1月13日
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所

船舶・海洋構造物の信頼性評価のための溶接・接着による接合試験体のデモ実験をオンラインで公開

 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 安部昭則)は、令和5年2月20日(月)に、船舶・海洋構造物の接合技術に関する研究開発の一環として、将来、実用化が期待される新しい溶接技術や、先端材料適用のための接着接合に関する新しい評価技術について、基礎実験の様子をオンラインで公開します。

 海上技術安全研究所 構造・産業システム系では、船舶・海洋構造物の安全性評価手法の高度化を目指し、船体に作用する波浪荷重推定と構造応答・崩壊シミュレーションに関する研究、材料の腐食特性、疲労強度に関する研究を行っています。また、工数の大幅な削減を目的とした新しい生産システム、生産工程の合理化技術など、生産技術に関する研究にも取り組んでいます。

 今回の公開実験では、接合技術の研究開発に焦点をあてて、以下の具体的な基礎実験の様子をオンライン(ビデオを含む)でご紹介いたします。

 •溶接部のニードルピーニング施工と、耐久性検証のための残留応力計測および疲労試験のデモ
 •接着接合した繊維強化複合材料(FRP)の破壊靭性・き裂進展速度の評価試験のデモ

 ご興味のある皆様のご参加をお待ちしております。参加を希望される方は、下記リンクからの参加登録をお願いいたします。

              記
  1. 日時:令和5年2月20日(月)15:30~16:30(開場15:00)
  2. 場所:オンライン開催(Zoom Webinar)・完全予約制
  3. 参加費:無料
  4. 申込期限:令和5年2月15日(水)
  5. お申し込み先:
     参加ご希望の方は、事前のご登録をお願いいたします。
     ご記入いただいた個人情報は、本講演会のご連絡、ご案内の目的にのみ利用します。
     事前登録サイト
     https://zoom.us/webinar/register/WN_5_m9EG2ASw6UlIovsLC58A

■実験内容の紹介
○溶接継手へのニードルピーニング施工、残留応力計測ならびに疲労試験のデモ
 船舶や艤装品には溶接による接合が多用されています。溶接により接合された継手(溶接継手)は引張強さ等の静的強度に優れる一方、負荷の繰り返しに対する強度である疲労強度が溶接を行わない母材の疲労強度に比べて大幅に低く、疲労き裂・疲労破壊が生じやすいことが知られています。溶接部の疲労強度を向上させることで、部材の薄肉化・軽量化が可能になります。ニードルピーニング施工は施工箇所の表面層に圧縮残留応力を導入することで溶接継手の疲労強度を向上させる二次加工手法であり、艤装品については適用例も報告されています。本公開実験では、ニードルピーニングによる疲労強度向上のメカニズムおよび施工効果の評価指標等についてご紹介するとともに、ニードルピーニング施工の実演、残留応力計測(施工効果の評価指標の一つ)ならびに疲労試験(施工効果の実験的検証)のデモを行います。


     図1 ニードルピーニング施工および疲労試験の様子


○繊維強化複合材料(FRP)の接着接合の破壊靭性・き裂進展速度の評価試験のデモ
 繊維強化複合材料(FRP)は、軽量で、強度・剛性が高く、腐食に強いという特徴を有し、舶用プロペラや艤装部品、燃料タンク等に適用され、また補修パーツとして利用されることが期待されています。FRP等の樹脂系部品の組立工程では、接着剤による接合が用いられることが多く、金属部品との異種材接合も可能です。接着部の疲労強度を適切に評価し、安全設計に活用することにより、FRPを用いた船体等の寿命予測、メンテナンスに役立てることができます。ここでは、接着部の疲労強度に影響を与える破壊靭性とき裂進展速度の評価試験の様子を紹介します。


  図2 接着試験片の破壊靭性およびき裂進展速度評価イメージ

<問い合わせ先>
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
海上技術安全研究所 企画部広報係
Tel:0422-41-3005 Fax:0422-41-3258
E-mail:info2@m.mpat.go.jp
URL:https://www.nmri.go.jp/


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