プレスリリース

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令和7年6月24日
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所

船舶の実海域中の推進性能及び燃料消費量に関する
国際規格(ISO)開発を開始

 ISO/TC 8/SC 2(国際標準化機構 船舶及び海洋技術専門委員会/海洋環境保護分科委員会)は、本年6月9日~13日に米国・ボルチモアで年次総会及び傘下作業部会が開催され、日本が提案した「実海域における燃料消費量及び推進性能の評価手法」について、新たな作業項目として国際規格開発を進めていくことに合意しました。

 本規格により、実海域中のGHG排出量を削減する船舶の建造及び運航を可能とする公正でかつ透明な技術により、船舶の環境負荷低減に大きく貢献することが期待されます。

 国際規格開発のための作業部会には、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(以下「当所」)、流体設計系 実海域性能研究グループ長 黒田麻利子がプロジェクトリーダーとして参加します。当所は、本規格の実現を進め、船舶分野からの温室効果ガスの排出削減の取組みに貢献してまいります。

 ISO/TC 8/SC 2(議長:高橋千織(当所 研究特命主管))は、本年6月9日~13日に米国・ボルチモアで年次総会及び傘下作業部会が開催され、日本が提案した「実海域における燃料消費量及び推進性能の評価手法」について、新たな作業項目として規格開発を進めていくことに合意しました。この「実海域における燃料消費量及び推進性能の評価手法」は、合計27機関が参加した「海事クラスター共同研究 実海域実船性能評価(OCTARVIA)プロジェクト」で開発した手法を基にしたものです。

 規格開発にあたって、実海域における実船性能の評価手法に関するISO規格を作成するための作業部会「実海域における燃料消費量及び推進性能」が新設され、日本が座長を務めます(座長:杉本義彦氏(株式会社商船三井))。

 今次総会において、日本は、本規格案により、真にGHG排出量を削減する船舶の建造及び運航を可能とする「公正でかつ透明な技術」を取りまとめることができ、海運業界における効率的な運航に大きく資することが期待されるとプレゼンで説明しました。これが出席各国に理解され、ISO/TC 8/SC 2は、新設される作業部会にて、モニタリングデータと船舶設計データを利用し、実海域での燃料消費量と船舶性能を計算するための標準的な方法を取りまとめること、船舶のライフサイクル燃料消費量を計算するための標準的な方法を取りまとめることを目的に、以下の作業項目(国際規格開発)を実施していくことに合意しました。

  • ISO 25817-1 船舶及び海洋技術-実海域における燃料消費量及び推進性能-第1部:燃料消費量及び推進性能評価法(プロジェクトリーダー:芦田哲郎氏(株式会社商船三井))
  • ISO 25817-2 船舶及び海洋技術-実海域における燃料消費量及び推進性能-第2部:ライフサイクル燃費手法(プロジェクトリーダー:黒田麻利子(当所))

 作業部会には、当所流体設計系 実海域性能研究グループ長 黒田麻利子がプロジェクトリーダーとして参加します。当所は、本規格の実現を進め、船舶分野からの温室効果ガスの排出削減の取組みに貢献してまいります。

<問い合わせ先>
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
海上技術安全研究所 企画部広報係
Tel:0422-41-3005 Fax:0422-41-3258
E-mail:info2@m.mpat.go.jp
URL:https://www.nmri.go.jp/

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