ENVIRONMENTAL ANALYSIS RESEARCH GROUP
環境分析研究グループでは、船舶に起因する化学・材料・環境分野関連の課題を解決するために、様々な分析装置を駆使して研究に取り組んでいます。
具体的には、防汚塗料などに使用されている有機材料、機関材料などに利用される金属やセラミックス、排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)など、広範囲にわたる物質を対象としており、分析・評価技術の確立や材料開発などを通じて、船舶を起源とする環境負荷物質の排出削減や環境調和型船舶の実現への貢献を目指しています。
船舶からは、船底塗料に含まれる防汚剤の海水中への溶出や舶用機関からの排出ガスなどのように、様々な形態の化学物質が海洋環境へと排出されています。これら様々な形態の物質を正確に分析する技術と評価する方法を開発することによって、海洋環境汚染を引き起こす物質の特定を行い、環境汚染排出削減に繋がっていきます。
(写真右:船底塗料の採取)
船舶用の機関などは、今まで以上にNOx、SOxやCO2の排出量を出来るだけ抑えるよう、環境に配慮した性能が求められています。それらを目指すには、効率や環境調和性のより優れた舶用機関、船底塗料などの実現を可能とするための化学的かつ材料工学的な視点からの材料開発が必要です。
(写真右:耐海水試験後のアルミニウム合金組織の一例)
材料研究の手法として、各種の高度計測・分析技術を重視し、電子顕微鏡等による観察・分析による物性評価研究を実施するほか、材料の検査・分析による事故原因究明等の要望にも対応しています。
(写真右:透過型電子顕微鏡その他)