海上技術安全研究所 キッズページ

海技研



海の上の発電所

浮体式洋上風車


上の3D画像は自由に回転・拡大縮小できます。


大切な電気をつくる

私たちの生活には電気がかかせません。灯りだけでなく、掃除機、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、パソコン、ゲーム、スマートフォンやタブレットの充電など、電気の無い生活は考えられませんね。
その電気を生み出しているのが発電所です。

電気は日本中のあちこちの発電所で作られて送られて来ますが、最近では地球温暖化を防ぐ、新しい技術や発電方法が求められています。その一つが風車です。


さまざまな発電方法

発電の方法には、火力・水力・原子力・太陽光・風力など、さまざまな方法があり、それぞれに長所と短所があります。

さまざまな発電方法
発電方法 特徴
風力

風の力で風車を回して発電する。

  • 燃料がいらない。
  • 風が弱い日は発電量が少なくなってしまう。
火力

石炭や石油・ガスなどの燃料を燃やして、タービンを回して発電する。

  • 燃料が手に入れば安定して発電できる。
  • 燃料を燃やすので二酸化炭素が出る。
水力

ダムを造り、水が低いところへ流れる力でタービンを回して発電する。

  • 川があれば発電できる。燃料がいらない。
  • 大規模開発に適した土地がない
原子力

核燃料が出す熱<でタービンを回して発電する。

  • 少しの燃料で長い間連続で発電できる。
  • 放射性物質が漏れないように、厳重に防御する必要がある。
太陽光

太陽光発電パネルに光が当たると発電する。

  • 発電パネルを置けば、後は大きな機械を動かさなくてすむ。燃料がいらない。
  • 曇りや雨の日は発電量が少なくなってしまう。
この他にも波力・潮力・地熱・バイオマスなどもっと色々な発電方法があります。

再生可能エネルギー

石油・石炭・天然ガスなどの、地下に埋まっている資源は、いつか尽きてしまうかも知れません。ですから、私たちはずっと使えるエネルギーについて考えておかねばなりません。

「エネルギーとしてずっと使える」そして「使っても、そのエネルギーが自然に回復するエネルギーを再生可能エネルギーと言い、太陽光・風・水(川)などがこれにあたります。

風車による発電も再生可能エネルギーを利用した発電方法です。


海の上の風車

発電のために使う風車は巨大<です。
また、強い風を受けなくてはならないので、広く開けた場所が必要です。しかも、常に同じ強さの風が吹いていないと、安定して発電することができません。

私たちが住む日本は、広い平地が少なく、巨大な風車を置く場所として、高い山の上か海の上を選ぶことになります。しかし、巨大な風車を高い山に運ぶのは大変です。
では、海はどうでしょう?

日本は周りを海に囲まれているので、海の上を発電場所に使うことができます。海上では風の強さが比較的安定しており、また、海上風車をたくさん並べて発電することができれば、とても大きな電力を作ることができます。


洋上風力発電風車には、大きく分けると着床式と浮体式の2種類があります。

着床式
海底から立っている風車

浮体式
浮いている風車


日本の周りの海は深いところが多く、風車を海の底から海面に届くまでの高さにすることはとても大変です。
そこで、海に風車を浮かべる方法が考えられています。


浮体式洋上風車の種類

風車は浮体構造物と呼ばれる土台を係留チェーンで海底に繋ぎ止めることで、風や波、潮流により流されることを防いでいます。


セミサブ式

スパー式

TLP式

バージ式


さまざまな浮体構造物の形式
形式 特徴
セミサブ式 浮体構造物を途中まで海中に潜らせた、半潜水型の浮体です。
スパー式 重心を低くした円筒型の浮体です。
シンプルな形なので割と作りやすいのですが、広い工場が必要です。
浮体が長いので、あまり浅い海では使えません。
TLP式 浮体を係留チェーンで引っ張<って海中に潜らせて、浮体が浮き上がろうとする力で風車を安定させる方法です。
係留チェーンを真下の方に引っ張るので、係留チェーンを繋ぎ止めるための場所が風車の近くですみます。
バージ式 浮体の海中に潜っている部分が少ないので、浅い海でも使える方法です。

海上技術安全研究所では、浮体式洋上風車についての研究をしています。