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大松特別研究員は海技研で研究を重ねた自身の様々な研究成果に触れ、解析や数値計算から引き出した理論を元に、模型による実験を行いさらには実機実験を行う中で実証した成果を説明。また専門分野である、実海域を想定した水槽で、実際に波を創造するにあたり、水槽でどのような解析で、波が造られるのかについて、市民にわかりやすく説明しました。また、実際に船から造られる波については、例えば「船速V」で走る船上から見て、波紋は定常でなければならないという定義、また、波の分散性については波の速度と波の長さが非常に深く関係していること等を示唆しました。
一方、宮本特別研究員は、自身の50年にもわたる造船技術の研究を通じて、日本の高度成長期において船舶がいかに貨物輸送手段として不可欠な存在で重要なインフラを担ってきたかについて、また建造技術や運航技術等の規則や基準等の概要について、わかりやすく説明しました。 また時代の変遷ともに、環境保護や国際レギュレーションが変わるなか、どのような船舶や造船の技術が求められてきたか、またその研究開発のバックグラウンドについてもエピソード等を交えながら紹介いただきました。さらに宮本氏は、次世代の海運・造船業にとって、若手の育成が急務であること、また日本の業界全体でプロジェクトに取り組む「造船クラスター」の基盤作りが今後も求められる点についても指摘、宮本氏の分かりやすい説明は、参加者の関心を集め、講演の途中でも活発な質問が出されました。
大松講師が船の造波のしくみをわかりやすく説明
講義後も若手参加者から活発な質問
両講座とも30人超の参加者が集結
宮本講師が50年にわたる造船技術研究の変遷を説明