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平成30年5月24日

 海技研研究職員が日本船舶海洋工学会から論文賞及び奨励賞(乾賞)を受賞

 2018年5月21日に、当所流体設計系の櫻田研究員、黒田主任研究員、辻本系長、枌原主任研究員及び構造安全評価系の松井研究員が日本船舶海洋工学会(JASNAOE)から論文賞を受賞しました。また、海洋リスク評価系の柚井主任研究員は奨励賞(乾賞)を受賞しました。


◆論文賞

櫻田研究員、黒田主任研究員、辻本系長、枌原主任研究員は、株式会社商船三井との共同研究で実施した実船モニタリングデータの解析法として重要となる排水量の補正について±20%の幅広い排水量範囲で実海域中燃費推定の精度を確保する手法を開発し、その内容が評価されました。
松井研究員は、大阪大学と共同でFEMによるコンテナ船の縦曲げ崩壊解析を行い、崩壊メカニズムを明らかにしました。最終強度に対して支配的な要因を抽出した後、従来の縦曲げ最終強度解析法(スミス法)を踏襲し、船底荷重による二重底の局部曲げ変形を考慮した「拡張スミス法」を開発の上、局部曲げ変形が最終強度に及ぼす影響を陽な算式で示し、その内容が評価されました。


<受賞論文>
日本船舶海洋工学会賞(論文賞)及び日本海事協会賞
論文実運航シミュレーションによる実船データ解析-排水量修正と波風修正の適用-
著者(海上技術安全研究所)櫻田顕子、枌原直人、黒田麻利子、辻本勝(商船三井)杉本義彦、長谷川健
論文実運航性能評価における船速-回転数-主機出力関係のモデル化
著者(海上技術安全研究所)櫻田顕子、黒田麻利子、辻本勝(商船三井)杉本義彦、長谷川健
日本船舶海洋工学会賞(論文賞)並びに日本造船工業会賞及び日本海事協会賞
論文船底局部荷重を考慮したコンテナ船の縦曲げ最終強度解析に関する研究
著者(大阪大学)辰巳晃、藤久保昌彦(海上技術安全研究所)松井貞興

◆奨励賞(乾賞)

柚井主任研究員は、IMOにおける規則制定手法FSA (Formal Safety Assessment)での新しい費用対効果評価法を開発し、その手法を用いて旅客船の損傷時復原性規則である要求区画指数R見直しに関するFSAを実施し、その内容が評価されました。従来のFSAでは個船を対象に費用対効果評価がされていましたが、規則改正の対象となるフリート全体の費用対効果を評価するための手法を開発しました。
乾賞は、船舶工学および海洋工学分野における若手研究者の創造的研究を奨励し、広く技術の発展を促すため、独創的かつ優れた論文を発表した若手研究者を表彰するものです。


<受賞論文>
日本船舶海洋工学会奨励賞(乾賞)
旅客船の要求区画指数R見直しFSAにおける費用対効果評価
著者(海上技術安全研究所)柚井智洋、金湖富士夫(研究当時)(横浜国立大学)荒井誠

実運航シミュレーションによる実船データ解析

(一番左)枌原主任研究員、(右から)辻本系長、
黒田主任研究員、櫻田研究員

実運航性能評価における船速

(右)松井研究員

奨励賞(乾賞)

柚井主任研究員