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海難事故解析センター副センター長/構造安全評価系上席研究員の山田安平は、公益社団法人市村清新技術財団より、第51回(2018年度)市村賞において、市村産業賞を受賞しました。
市村賞は、昭和38年紺綬褒章受賞を受賞した市村清氏が創設した賞であり、わが国の科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野あるいは学術分野の進展に多大な貢献をした技術開発者を表彰する伝統と権威ある賞です。
今回の受賞は、海上技術安全研究所、新日鐵住金株式会社、今治造船の3社が共同で研究・開発した技術に対して、技術開発者3名が共同で受賞したものです。表彰式は、4月12日に、東京都内で行われる予定です。
(1) | 名 称 | : | 市村産業賞 貢献賞 | ||||||
(2) | テーマ | : | 高延性厚鋼板の開発による船舶衝突安全性の向上 | ||||||
(3) | 受賞者 | : |
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衝突安全性に優れた船体用高延性厚鋼板NSafe®-Hullを開発し、深刻な海洋汚染をもたらす船舶事故時の油漏洩防止による環境保全に貢献しました。
鋼材中の不純物の極限までの低減と最新の熱加工プロセスによる金属組織制御によって従来鋼の伸び規定値より5割以上の高い伸び値を実現した世界初の船体用高延性厚鋼板NSafe®-Hullを開発しました。NSafe®-Hullを船体に適正配置することで、衝突エネルギーを吸収し、耐衝突性能を高めることができることを高度シミュレーションと実験で検証しました。
NSafe®-Hullは、2014年に今治造船建造の大型ばら積み運搬船に初採用され、超大型原油タンカー(VLCC)へも採用が決まっています。NSafe®-Hullの適用により、衝突時の破口に伴う油漏洩の危険性を大幅に低減可能で、生態系破壊の防止やその補償のための経済損失の低減に寄与します。