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IMOのGHG削減戦略や内航海運に関する地球温暖化対策計画において、外航船・内航船ともに高いGHG削減目標が掲げられ、将来のカーボンニュートラル化が求められております。
その実現のために、多くの技術的・社会的なハードルを乗り越える必要がある中、「カーボンニュートラルの実現に向けた海事産業のグリーン戦略」というテーマで講演会を開催しました。
冒頭、安部所長の開会の挨拶後の基調講演として、国土交通省 河野 順 大臣官房技術審議官(海事)より、「国際海運・内航海運におけるカーボンニュートラル実現に向けた規制や取組の動向」と題して、海事局の取り組みや支援等について講演を行っていただきました。
次に外部講演として、株式会社商船三井 杉本 義彦 技術部長からは、「2050年ネットゼロエミッションの実現に向けた技術開発取り組み」として、クリーン代替燃料の導入等に関する講演を、同じく外部講演として、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 特機事業部 清河 勝美 システムエンジニアリング部長より「GHG削減に向けたヤンマーの取組みについて」として、LNG、水素、アンモニア燃料利用システムの開発状況や推進システムの将来性について講演をいただきました。
第2部の冒頭では、当所におけるGHG削減の技術開発や課題等について、GHG削減プロジェクトチーム 平田 宏一 リーダーより説明を行い、続いて環境・動力系 仁木 洋一 主任研究員より「アンモニア混焼による舶用ディーゼル機関からのGHG削減」、知識・データシステム系 和中 真之介 研究員より「技術・市場・規制モデルを用いたゼロエミッション船コンセプトの評価」について、若手研究者による講演を行いました。
第2部後半では、国内GHG削減戦略のステークホルダーの皆様にお集まりいただき、「カーボンニュートラルの実現に向けた技術課題と研究開発の方向性」をテーマとして、パネルディスカッションを行いました。
コーディネーターを環境・動力系 高橋 千織 系長が務め、パネリストとして、第1部の講演から引き続き、株式会社 商船三井 杉本 義彦 氏、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 清河 勝美 氏にご参加いただくとともに、新たに一般社団法人 内航ミライ研究会 畝河内 毅 理事と同事務局 曽我部 公太 氏をお招きし、当所からはフェローの九州大学 高崎 講二 名誉教授、GHG削減プロジェクトチーム 平田 宏一 リーダーが参加しました。
第1部での講演内容をもとに、コーディネーターより、GHG削減に向けての技術的・環境的な課題などについて質問を行い、外航海運、内航海運、エンジンメーカーの各々の立場からご意見をいただきました。
高崎名誉教授には、国際的に見た日本の技術開発の状況についてご紹介いただくとともに、今後の研究開発の方向性についてご意見をいただきました。質疑応答では、多数の方々からご質問があり、時間を延長してご回答いただきました。カーボンニュートラル実現に向けた今後の動向に対する関心の高さが伺えました。
講演スライドは
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