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令和4年9月2日

各種エンジンの見学とアンモニア混焼実験をオンラインで公開(結果報告)

 令和4年8月30日、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 安部昭則)は、10号館および12号館機関実験室において、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、排ガス後処理装置の見学、アンモニア混焼のデモンストレーションをオンラインで公開しました。このイベントはライブ配信で行われ、84名の方々にご参加いただきました。

 

紹介したアンモニア混焼エンジン研究の概要

 船舶からのGHG(地球温暖化ガス)削減の一つの手法として、アンモニアなどの炭素を含まない代替燃料の利用が検討されています。海上技術安全研究所では、ディーゼルエンジンを用い、アンモニアと軽油を混焼させる研究を行っています。そのなかで、エンジンの吸入空気に液体アンモニアを混合することで、アンモニアガスと空気が混合された予混合気をエンジンに供給するシステムを構築しました。これにより、以前の研究よりアンモニア混焼率をあげることに成功しています。また、燃焼室内のアンモニア-空気予混合気を着火・燃焼するための燃料である軽油について、その噴射時期を変更することで、二酸化炭素以外の温暖化物質である亜酸化窒素や、未燃のアンモニアも同時に減少させるような燃焼方法の研究を行っています。

 

公開実験の概要

 今回の公開実験は、化学工学会産学官連携センター開発型企業の会と共催で行いました。スマートフォンまたはPCに接続したウェブカメラによるライブ中継を交えたZoom配信により、4-ストロークディーゼルエンジン2機、4-ストロークガスエンジン1機で行っている研究の紹介、脱硝装置、脱硫装置の紹介を行いました。また、アンモニア混焼を行っているエンジンの実機を紹介するとともに、実際の実験映像を用い、エンジン起動から軽油/アンモニア混焼実験までの一連の様子の紹介、アンモニア混焼により、排ガス中の二酸化炭素が削減されていく様子なども見ていただきました。
 このオンライン公開実験には84名の方々にご参加いただき、最後の質疑応答では、オンライン配信のQ&A機能や挙手機能を用いながら質問への回答も行い、活発な意見交換をすることができました。


平田特別研究主幹が、スマートフォンを用い
実況でエンジン説明を行う様子

仁木主任研究員が、実況でアンモニア混焼エンジンの
説明を行う様子