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・受賞内容
これまで弊所では、船舶由来の排ガスに噴霧液滴を高速で噴射することで、小型でありながら高い除去性能で硫黄酸化物を除去するジェット式スクラバを開発しており、今後想定される、更なる排ガス規制強化に応じて、様々なガス種へ応用することを考えています。そのためにはスクラバ内における流れ場を詳細に解析し、任意のガス種に応じた流況をデザインする必要があります。
受賞論文では、スクラバ内の噴霧液滴の状態を詳細に把握することを目的に、直接可視化計測で使用噴霧ノズルの特性を定量的に取得し、その結果を加味した解析モデルを構築しました。この新しいモデルを用い、小型ジェット式スクラバによる実機計測値を再現する計算例として、SO2除去量の変化を定量的に比較し、液滴径分布を考慮しない従前のモデルとの差異について議論しました。その結果、新モデルは従前モデルよりも、スクラバ内排ガス温度変化およびSO2除去能力の予測精度が改善したことを報告しています。