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昨今、事故災害の未然防止のためリスクの事前評価が導入されるなど、様々な分野でリスク評価の考え方が広く用いられています。このような動きを踏まえ、海洋リスク評価系では、リスク評価や安全目標について理解を深めて頂く講演会を開催することといたしました。
本講演会は、業務で安全について考える機会がある方を対象に、工学システムとして最初にリスク評価が導入された原子力分野におけるリスク評価対象拡大の歴史を概観してリスク評価に関する理解を深めた後、海事分野における安全目標の実際と課題について考え、さらに近年の日本学術会議における工学システムの安全目標に関する考え方を紹介致します。皆様のご参加をお待ちしております。
記
13:30~13:35 開催挨拶:海洋リスク評価系 系長 岡秀行
13:35~14:15 (講演 30分 + 質疑 10分)
題目: | 原子力発電分野におけるリスク評価対象の拡大 |
概要: | 工学システムの可否をリスクにより判断するアプローチが取られたのは原子力プラントが最初であり、1975年ラスムッセン報告として有名な原子炉安全性研究 (RSS) が公表された。本報告ではRSSに至るまでの手法発展の歴史を概観し、RSS以降リスク評価対象が順次拡大されていく経緯を紹介し、それぞれのリスク評価方法について解説する。 |
講演者: | 松岡猛 (宇都宮大学非常勤講師、海上技術安全研究所海洋リスク評価系専門研究員) |
14:15~14:55 (講演 30分 + 質疑 10分)
題目: | 船舶分野における安全目標について |
概要: | 国際海事機関 (International Maritime Organization, IMO) における規則制定手法Formal Safety Assessment (FSA) はリスク評価と費用対効果評価を実施し、安全性と経済性を両立した合理的な規則を策定するための手法である。本講演では、船舶分野における安全目標として、FSAのリスク評価で利用される閾値やその導出法、課題等について概要を紹介する。 |
講演者: | 柚井智洋 (海上技術安全研究所 海洋リスク評価系リスク解析研究グループ主任研究員) |
14:55~15:05 休憩
15:05~15:45 (講演 30分 + 質疑 10分)
題目: | 工学システムの安全目標 |
概要: | 安全な社会を構築するためには、規制による安全に加えて、社会として共有できる具体的な目標を設定し、安全対応の進捗状況を確認して目標の達成を検証していく必要がある。本講演では、日本学術会議で提案を行なった工学システムの安全目標の考え方について紹介する。 |
講演者: | 野口和彦 (NPO法人リスク共生社会推進センター理事長、横浜国立大学客員教授) |
15:45~ 閉会挨拶: 海洋リスク評価系 副系長 伊藤博子