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無人運航船の研究開発は、日本財団によるMEGURI2040プロジェクトの実証事業も進む中、近い将来の無人運航船の汎用化を見据えた開発段階に進みつつあります。ここで、自動操縦技術のうち、離着桟操船を自動で行う自動離着桟は、低速時の制動力の低さにより技術的には難しいものと見なされています。このため、自動離着桟アルゴリズムは実船による実証に至る前に操縦運動シミュレーションによる予検証を行うことが重要ですが、離着桟時の操縦運動を予測するシミュレーションモデルに関する研究は通常航行状態のモデルの研究と比較すると少なく、加えて、人的及び金銭的なコストを要する水槽模型試験によるデータ取得を行わずにモデルを構築できる、モデル係数簡易推定手法 に関する研究は更に少なくなります。
以上の背景より、日本船舶海洋工学会のプロジェクト研究委員会「離着桟操船時の操縦流体力特性の簡易推定手法に関する調査研究委員会(以下、調査研究委員会)」(委員長 海上技術安全研究所 北川泰士)では、いわゆるMMGモデルによる操縦運動シミュレーションを前提として、(1) 離着桟時操縦運動を再現できる低速モデルの調査、(2) 船型主要目等の少数の情報からモデル係数を推定できる手法の調査、(3) 調査を踏まえた課題抽出、を目的に活動を行ってきました。
今回、海上技術安全研究所は、調査研究委員会との共催で、これら調査活動の報告を兼ねた講演会を、下記の通りオンライン方式と対面方式のハイブリッドで開催いたします。講演内容は、自動離着桟における数学モデル適用事例、低速時Hullモデル、アクチュエータモデル、自由航走データからのモデル同定、等を予定しております。講演の最後には今後の展望に焦点を当てたパネルディスカッションも予定しています。多数の皆様のご参加をお待ちしております。
記
13:00〜13:10 開会挨拶及び委員会概要説明
海上技術安全研究所 北川 泰士
13:10〜13:30 自動離着桟のためのモデル適用事例
講演者:海上技術安全研究所 澤田 涼平
13:30〜13:50 低速時Hullモデルの調査結果
講演者:川崎重工業 中村 真也
13:50〜14:10 浅水域影響の調査結果
講演者:九州大学 古川 芳孝
14:10〜14:25 Propellerモデルの調査結果
講演者:海上技術安全研究所 北川 泰士
14:25〜14:40 Rudderモデルの調査結果
講演者:広島大学 佐野 将昭
14:40〜14:50 ~休憩~
14:50〜15:05 サイドスラスターモデルの調査結果
講演者:ナカシマプロペラ 岡田 雄大
15:05〜15:25 自由航走データからのモデル同定に関する調査結果
講演者:大阪大学 牧 敦生
15:25〜15:45 船外機付き船に関する研究事例紹介
講演者:大阪公立大学 片山 徹
15:45〜16:05 プロペラ逆転時モデルに関する研究事例紹介
講演者:海上技術安全研究所 北川 泰士
16:05~16:15 ~休憩&パネルディスカッション準備~
16:15〜 パネルディスカッション
(1)MMGモデルの離着桟操縦運動適用に関する検討課題
講演者:三井造船昭島研究所 岸本 隆
(2)討論 “離着桟操縦運動シミュレーションモデルの研究の今後“
17:00 終了