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平成31年3月8日

ホバリング型AUV「ほばりん」の公開実験を実施

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 宇都正太郎)は2月28日(木)、弊所、動揺水槽において、ホバリング型AUV「ほばりん」を用いた水中での障害物回避行動の実験を実施いたしました。

今回の公開対象である「ほばりん」、ホバリング型AUVは、精度の高い機体位置制御機能を持つ事から、複雑な地形の海底に接近して解像度の高い光学画像を取得できる等の特徴を持っています。
また海底への接近を達成するためには、海底の障害物を精度良く回避しつつ目的の航路を進む必要があり、今回の公開実験においてもセンシング技術や自律的な機体運動制御技術を実験水槽において再現し、高度な障害物回避運動の様子を参加者の皆様に間近で御覧頂きました。
公開実験では、はじめに海洋先端技術系水中ロボティクス篠野雅彦グループ長から、ASV(洋上中継器)やAUV(自律型水中探査艇)の役割、航行型AUVとホバリング型AUVの違い等について説明があり、その後動揺水槽に移動し、水槽中に沈められた障害物を「ほばりん」が乗り越える様子、また、方向転換して壁に向かい、壁を検知して上昇回避行動を取ったうえで、水面付近に達し、上昇深度制限により元の地点に戻るという一連の動きを確認して頂きました。


公開実験終了後は参加者の皆様より、AUVの深海以外での幅広い用途への活用等、様々な質疑応答をいただきました。


「ほばりん」、ホバリング型AUVは、これらの機能により海底資源調査をはじめ海底エネルギー設備の検査、洋上再生エネルギーや港湾土木の検査、水産資源調査、その他学術調査等の幅広い範囲で活用されること目指しています。


なお、ほばりんは、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「次世代海洋資源調査技術」における「AUV複数運用手法等の研究開発」の一環で開発されました。


(注)AUV:Autonomous Underwater Vehicle (自律型無人探査機):母船とケーブルで繋がれておらず、全自動で海中を航行して観測等のミッションを遂行する自律ロボット


ほばりんについての説明

ほばりんについての説明

動揺水槽での実験の様子1

動揺水槽での実験の様子

動揺水槽での実験の様子2

ほばりんがラインレーザーで
障害物を検知し、
回避を行う実験の実施

動揺水槽での実験の様子3
動揺水槽での実験の様子4