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平成31年4月26日

ICT 技術を応用化した造船の生産技術開発における公開実験を実施

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 宇都正太郎)は、3月27日(水)、弊所、構造基盤技術系において、ICTを利活用した生産システムの公開実験を実施し、構造基盤技術系 松尾宏平主任研究員、竹澤正仁研究員が、最新のAR技術開発等について説明いたしました。また、その結果得られる生産性の向上や、AIを「造船コンシエルジュ」として協働する、将来の造船所に於ける働き方等についても提示し、業界から造船会社ほか、メディアなど27名が参加しました。

造船作業を支援するAR(Augmented Reality, 拡張現実)アプリを実演

現在、弊所て゛はICT技術の応用に関する造船の生産技術の研究開発に取り組んて゛いますが、今回の公開実験においては、造船作業の効率化および作業支援を目的に独自開発したAR(Augmented Reality, 拡張 現実)アフ゜リケーションを稼働し、参加者に実演を行いました。当研究開発を進めてきた背景には、新技術を応用した生産性の向上による国内造船業の競争力強化が喫緊の課題としてありました。こうした中、現在、広く波及されているタフ゛レットPCやスマートク゛ラス等を介し現実世界にCG を重畳表示し、人の理解や認識を支援、拡張するインタフェース技術となる、AR技術を造船の現場にも取り入れようという試みです。


「スマートグラス導入」など、AR技術の応用も課題

公開実験では、弊所が研究開発したARアプリケーションとして、曲げ加工を支援する「曲げ加工支援ARアプリケーション」の他、溶接作業を支援する「溶接作業支援ARアプリ」についてデモを交えて紹介しました。今回の実演で、造船現場においてAR技術を活用する場合、直感的な理解による作業者への作業支援にとどまらず、様々なメリットがあることを理解して頂きました。具体的には、スマートフォンやタブレットなどを介して、製造現場と設計部署等間が常時接続されること、また、作業者の作業を記録・可視化することが可能となることです。また、スマートグラスによるAR表示やプロジェクターによるプロジェクトマッピングについても公開し、今後、ハンズフリーのAR技術の応用が期待されることに言及しました。

造船工場にICTの情報網を導入するAR技術の説明をする松尾主任研究員

造船工場にICTの情報網を導入するAR技術の説明をする
松尾主任研究員

スマートグラスを装着し、ハンズフリーの作業支援を実体験

スマートグラスを装着し、
ハンズフリーの作業支援を実体験