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令和元年5月10日

山田副センター長が市村清新技術財団より、第51回 市村産業賞を受賞し、受賞式典に出席

 海難事故解析センター副センター長/構造安全評価系上席研究員の山田安平は、公益社団法人市村清新技術財団より、第51回(2018年度)市村賞において、市村産業賞貢献賞を受賞しました。
市村賞は、昭和38年紺綬褒章受賞を受賞した市村清氏が創設した賞であり、わが国の科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野あるいは学術分野の進展に多大な貢献をした技術開発者を表彰する伝統と権威ある賞です。

 今回の受賞は、海上技術安全研究所、日本製鉄、今治造船の3社が共同で研究・開発した技術に対して、技術開発者3名が共同で受賞したものです。

 市村賞贈呈式は、4月12日に、彬子女王殿下ご臨席のもと、東京都内の帝国ホテルで開催されました。開会の挨拶の後、ご祝辞、各部門の審査委員長より審査過程の説明後、賞状等が順番に授与され、彬子女王殿下よりお祝いのお言葉を頂きました。記念撮影後に、立食形式での記念祝賀会が開催され、その時間に各受賞者が1組ずつ、彬子女王殿下に受賞内容を説明する機会を頂きました。祝賀会終了後授賞式は終了となりました。市村賞の受賞内容・受賞者リストについては、4/12(月)の日経新聞朝刊にも1面を使用して大きく掲載されました。

<市村産業賞の受賞内容>

(1) 名 称市村産業賞 貢献賞
(2) テーマ高延性厚鋼板の開発による船舶衝突安全性の向上
(3) 受賞者
日本製鉄株式会社 鉄鋼研究所 主幹研究員市川 和利
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
海難事故解析センター 副センター長
山田 安平
今治造船株式会社 執行役員紙田 健二

<開発技術「高延性厚鋼板の開発による船舶衝突安全性の向上」の内容>

(1) 概要

 衝突安全性に優れた船体用高延性厚鋼板NSafeR-Hullを開発し、深刻な海洋汚染をもたらす船舶事故時の油漏洩防止による環境保全に貢献しました。

(2) 開発した技術

 鋼材中の不純物の極限までの低減と最新の熱加工プロセスによる金属組織制御によって従来鋼の伸び規定値より5割以上の高い伸び値を実現した世界初の船体用高延性厚鋼板NSafeR-Hullを開発しました。NSafeR-Hullを船体に適正配置することで、衝突エネルギーを吸収し、耐衝突性能を高めることができることを高度シミュレーションと実験で検証しました。

(3) 効果

 NSafeR-Hullは、2014年に今治造船建造の大型ばら積み運搬船に初採用され、超大型原油タンカー(VLCC)へも採用が決まっています。NSafeR-Hullの適用により、衝突時の破口に伴う油漏洩の危険性を大幅に低減可能で、生態系破壊の防止やその補償のための経済損失の低減に寄与します。

市村清新技術財団のHP
  http://www.sgkz.or.jp/prize/industry/
本受賞に関する市村清新技術財団のHP
  http://www.sgkz.or.jp/prize/industry/51/document_08.html
贈呈式案内(東京帝国ホテル前)
贈呈式案内(東京帝国ホテル前)
会場風景
会場風景
贈呈式における受賞の様子
贈呈式における受賞の様子
受賞時の記念撮影
受賞時の記念撮影
市村産業賞 表彰状
市村産業賞 表彰状
市村産業賞 記念碑
市村産業賞 記念碑
(重量物で非常に重い記念碑。受賞者の所属・氏名が刻印されている)