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稲葉研究員は冒頭、地球の約3分の2は海に覆われ、深海は「3800mにも及ぶ未知の世界」であることを紹介し、その距離は、横浜のシンボルである71階建てランドマークタワーの13個分に当たるとの説明で、子供達の関心を引きつけました。そうした未知の世界で人間の代わりに活動し、深海に眠る様々な資源探査を行い、潜在的可能性を探る自律型水中ロボット(AUV、Autonomous Underwater Vehicle)を紹介し、海技研ではこれまで5台にわたるAUV開発を行い、海底地形の調査にも貢献してきたことを説明しました。また稲葉研究員は、現在、博物館に展示されている5台の水中ロボット(模型)が、それぞれ担当する仕事によって、形が異なるということを紹介し、参加した子供達は目を丸くし話に聞き入っていました。
稲葉研究員は続いて、自身がメンバーである「Team KUROSHIO」が、深海マッピングの国際コンペティションで準優勝するまでの3年間の活動や、自身が「沈没船」の研究を契機にプロの研究者となるまでの軌跡を振り返りながら、「水中ロボットの世界」がさらなる可能性を秘めていることに言及しました。特に受賞に至っては、チームを構成する産官学のいろいろな専門家の方々やスポンサー企業との協働で勝ち取った成果であると説明し、「将来的には飛行機が隊列を組んで飛行するように、AUVも隊列を組んで水中を自由自在に調査し効率化できるようしたい」と意気込みを語り、多くの方々の関心を集めました。