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令和3年2月4日

 海技研職員がIMO貨物運送小委員会編集・技術グループの議長を務める

 太田進国際連携センター長は、令和3年1月18日~22日にオンラインで開催されたIMO第33回貨物運送(CCC)小委員会[1]編集・技術(E&T)グループにおいて議長を務めました。

 E&Tグループは、国際海上危険物規程(IMDGコード)[2]や国際海上固体ばら積み貨物規則(IMSBCコード)[3]の改正案作成を担当しており、これらコードの内容に精通している専門家が参加しています。CCC小委員会でコードの改正方針を合意した際には、E&Tグループに具体的な改正案の作成が指示されますが、技術的に問題があると判断される場合には、改正案は作成せず、問題点を小委員会に報告することとされています。
 E&Tグループの会議には、IMDGコードを扱うものと、IMSBCコードを扱うものの二種類があり、今般開催されたのはIMSBCコードのための会議です。2020年の3月に開催される予定でしたがCOVID-19により延期されたもので、27の国と8の国際機関から約百名が参加しました。
 太田センター長は、長年に渡ってIMSBCコードの審議に参画しており、固体ばら積み貨物の運送に係る通信グループ(Correspondence group:CG)のコーディネータを10回、作業部会(Working group:WG)/起草部会(Drafting group:DG)の議長を4回務め、この分野のエキスパートとして国際的に認められています。また、船舶設備(SSE)小委員会[4]の議長を6年間務めるなど、豊富なIMOの経験を有しており、今般、IMSBCコードに係るE&Tグループの議長に選出されました。


脚注

[1] IMOの海上安全委員会及び海洋環境保護委員会の下には7つの小委員会があり、貨物運送小委員会は主に貨物の運送基準を審議する小委員会です。
[2] 危険物の海上運送における安全確保のため、IMOは個々の危険性を考慮した上で、国際海上危険物規程(IMDGコード)、国際バルクケミカルコード(IBCコード)、国際ガスキャリアコード(IGCコード)等の国際的な基準を定めています。
[3] 固体ばら積み貨物(穀類を除く。)の海上輸送については、「国際海上固体ばら積み貨物コード(IMSBCコード)」が定められ、2011年1月1日から海上人命安全条約(SOLAS条約)により義務化されています。
[4] 船舶設備小委員会は、主に救命設備基準や火災安全基準を審議する小委員会です。

写真1 左下がWeb会議中の太田センター長
写真1 左下がWeb会議中の太田センター長