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令和3年3月9日

 耐衝突・座礁性に優れた高延性厚鋼板の開発・実用化で
第47回岩谷直治記念賞を共同で受賞

 <概要>
 海難事故解析センター長(構造安全評価系上席研究員)の山田安平は、「高延性厚鋼板の開発と実用化による原油タンカーの衝突安全性向上と海洋油濁の防止」で、公益財団法人岩谷直治記念財団より、第47回岩谷直治記念賞を共同で受賞しました。
 今回の受賞は、海上・港湾・航空技術研究所、日本製鉄株式会社、今治造船株式会社、日本海事協会の4社が共同で実施した研究開発及びその成果が表彰されたものです。岩谷直治記念賞については、下記をご覧ください。なお、表彰式は3月8日にオンラインで開催されました。


<岩谷直治賞 受賞概要>
(1) 受賞テーマ: 高延性厚鋼板の開発と実用化による
原油タンカーの衝突安全性向上と海洋油濁の防止
(2) 受賞者: 山田安平 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所

海上技術安全研究所 海難事故解析センター センター長
(構造安全評価系上席研究員)

市川和利 日本製鉄株式会社 鉄鋼研究所 厚板・形鋼・鋼管研究部 主幹研究員
大川鉄平 日本製鉄株式会社 鉄鋼研究所 厚板・形鋼・鋼管研究部 主幹研究員
小田直樹 日本製鉄株式会社 厚板事業部 厚板技術部厚板商品技術室 主幹
柳田和寿 日本製鉄株式会社 九州製鉄所 厚板部 課長
今城大貴 日本製鉄株式会社 九州製鉄所 品質管理部 主査
紙田健二 今治造船株式会社 執行役員
船津裕二 一般財団法人 日本海事協会 官公庁船事業室 グループリーダー

以上8名


 <岩谷直治賞>
 岩谷直治記念賞は、「エネルギーおよび環境に関する技術開発で、かつ顕著な産業上の貢献が認められる業績を表彰」する賞です。

岩谷直治記念財団へのリンク: http://www.iwatani-foundation.or.jp/

<開発技術の概要>
 原油タンカーの衝突事故により生じる油漏洩は重大な環境破壊をもたらします。本研究者らは、船体構造変更ではなく、衝突による船舶の損傷を軽減する従来規則の1.5倍以上の伸びを有する厚鋼板「NSafeR-Hull」を開発し、それを被衝突船の必要な部材に適正に使用することで、耐衝突性能を高めることに成功し、予定も含め累計31隻の実船に適用されています。

図 1 高延性鋼の実船適用模式図(超大型原油タンカー)
図 1 高延性鋼の実船適用模式図(超大型原油タンカー)
*日本製鉄HPからの引用
写真1:岩谷直治記念賞賞状(金属製)
写真1:岩谷直治記念賞賞状(金属製)
写真2:岩谷直治記念賞メダル表面
写真2:岩谷直治記念賞メダル表面