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令和3年4月23日

 実海域実船性能評価プロジェクト 第9回運営会議を開催
-成果のデファクト化とOCTARVIA Phase2に向けた取り組み-

 海事クラスター共同研究「実海域実船性能評価プロジェクト」の第9回運営会議をweb会議にて令和3年3月29日に開催いたしました。

 本プロジェクトは、波や風のある船舶が実際に運航する海域の中での船舶の速力、燃費等の性能(実海域性能)を正確に評価する方法(ものさし)を開発することを目的としており、海運・造船・舶用工業関係の企業、関係諸機関など計25者の参加のもと、平成29年10月より3年計画にて実施してまいりました。本プロジェクトの概要は次図を参照してください。


海事クラスター共同研究「実海域実船性能評価プロジェクト」の概要
海事クラスター共同研究「実海域実船性能評価プロジェクト」の概要

 本プロジェクトは、発足時の予定通り昨年9月に研究開発を終了し、世界中の船舶の性能を客観的に評価する「ものさし(ライフサイクル主機燃費)」の計算手法、その計算プログラム(OCTARVIA-Index/Prediction、SALVIA-OCT.、EAGLE-OCT.)の開発が完了しておりましたが、これら成果の充実や取扱方針の検討を含め以後の活動に関する検討を行うべく、さらに半年間延長し、本年3月末まで活動を行ってまいりました。
 第9回運営会議では、計算プログラムのクラウド化や機能限定版の作成、海外水槽での追加試験やその検証、また、本プロジェクトで得た成果の取扱方針などに関して承認され、これを受け、議長(代理:太田垣氏)より本プロジェクトの終了が宣言されました。

 参考に次図にクラウド版プログラム(OCTARVIA-Index)のトップ画面を示します。


クラウド版プログラム(OCTARVIA-Index)のトップ画面
クラウド版プログラム(OCTARVIA-Index)のトップ画面

 さらに、同運営会議では、本プロジェクトの後継研究体として実海域実船性能評価プロジェクト(フェーズ2)を立ち上げ、引き続き「実海域実船性能評価プロジェクト」で得た成果の実船適用の普及・拡大、更なる研究の進化などに取り組んでいく方針が示されました。
 最後に、本プロジェクトの総括として、議長から、業界の垣根を越えた信頼関係の構築ができたこと、また、今後のフェーズ2ではその信頼関係をベースに、本プロジェクトで得た成果に関するビジネスでの活用への期待などについて挨拶があり、第9回運営会議は閉会いたしました。

 GHG排出量削減への取組は国際的に加速していますが、本プロジェクトで開発した実海域における実船性能モニタリング手法、実海域性能推定手法、実海域性能評価手法は、様々な船舶の実海域性能向上を行う上でのキーとなる技術となります。今後とも、実海域実船性能に関する評価手法のブラッシュアップ、研究の進化などを進めて参ります。