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令和3年6月8日

 小林充知識システム研究グループ長、2021年山縣勝見賞論文賞を受賞

 小林充知識システム研究グループ長は、令和3年6月、海運を中心とする海事交通文化の研究及び普及発展に貢献された方々を顕彰し、その研究成果(著作・論文)や業績を対象として表彰する「山縣勝見賞」において、「2021年山縣勝見賞」の受賞者の一人に選ばれ、『論文賞』を受賞する事が決定しました。

≪論文賞≫

小林 充(こばやし みつる)著「内航船ウェザールーティングの開発と改善に関する研究」
(東京海洋大学 博士学位授与論文 2020年3月認定 博士(工学))


◆論文の内容
・概要

 本研究では、内航海運の燃料消費量削減を目的とし、ウェザールーティングシステムを構築しました。
 ウェザールーティングは既に外航船の分野では実用化されてコンテナ船などで普及していましたが、内航船の分野では効果が少ないとされていたために参入する企業がなく、内航船向けのウェザールーティングサービスは存在していませんでした。これに対して、本研究はその効果があることを明らかにし、(一財)日本気象協会、東京海洋大学と共同で内航船に特化したウェザールーティングシステムを構築して乗組員の操作で結果を得て航海できるように船載機と陸上サーバーを整備し、実用化システムを構築したものになります。また、運用していくにあたりその普及を妨げる要因を明らかにして改善するとともに、ウェザールーティングの性能を左右する船舶偏流の推定を高精度化するために、AIS(Automatic Identification System、自動船舶識別装置)受信データによって偏流の現況を推定するアルゴリズムを考案して検証しました。

内航船ウェザールーティングシステム船載機設置例
図 内航船ウェザールーティングシステム船載機設置例
写真1:山縣勝見賞論文賞賞状
山縣勝見賞論文賞 賞状
写真2:山縣勝見賞論文賞盾
山縣勝見賞論文賞 盾

・受賞理由

 外航で普及しているウェザールーティングを内航海運のニーズと特性に適合するよう構成し、大学、気象情報提供会社、航海電子機器メーカーと連携して乗組員が操作できる船載のウェザールーティングシステムの開発および気象情報提供・最適航路計算サービスを創設することで、内航船の競争力強化と CO?排出量削減へ貢献、内航船へのウェザールーティングの普及および性能向上に寄与するものと認められました。

山縣記念財団リンク:https://www.ymf.or.jp/news/2781/