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海上技術安全研究所では、就航中の船体の健全性評価を目的とした船体構造デジタルツインに関する研究を行っています。船体構造デジタルツインは、航行中の船体に生じるひずみや加速度等のセンサ計測データとDLSA(海上技術安全研究所で開発した全船荷重構造一貫解析システム)等の数値シミュレーションとの同化(データ同化)により、非計測箇所も含んだ全船の状態をコンピュータ上の構造モデルに忠実に再現して健全性を評価する機能を有します。今回は、一般財団法人日本船舶技術研究協会が日本財団の助成を受けて取り組んでいる「超高精度船体構造デジタルツインの研究開発」の一環で、東京大学、大阪大学、横浜国立大学と海上技術安全研究所が共同開発したデジタルツインシステム(i-SAS;Integrated Structural Analysis System)の機能検証のための水槽試験を、オンライン(ウェビナー形式)で公開*しました。
*実験設備に一部不具合が生じたため、当日は本試験時の映像を使用いたしました。
波浪中での曳航試験を行い得られた船体ひずみや水圧等のデータを基に、データ同化技術を用いて全船の応力を推定した結果をご覧いただきました。公開に当たっては、水槽試験で捉えられた応答をシミュレーションと比較しながら、専門家の視点から解説し、参加された皆さまからのご質問にお答えしました。
海上技術安全研究所の安部所長の挨拶に続き、「超高精度船体構造デジタルツインの研究開発」の藤久保委員長(大阪大学教授)、及び、i-SASの監修者である村山委員(東京大学教授)よりお言葉を頂戴しました。デジタルトランスフォーメーションプロジェクトチーム岡PT長からの全体説明の後、東京大学大学院の三上氏よりi-SASの説明があり、試験の映像と解析結果を御覧いただきました。