最先端の非線形CAE技術を活用した
高度実船シミュレーション技術


海上技術安全研究所では、最先端の非線形CAE(Computer Aided Design)を活用した以下のようなシミュレーション技術を有しており、様々なプロジェクトに対するソリューションとして提供している。

(1)船舶対船舶の衝突シミュレーション解析
(2)船体ハル・ガーダーの縦曲げ崩壊解析
(3)流体と構造の連成 (Coupling)解析
(4)船舶の座礁シミュレーション解析

非線形有限要素法(Nonlinear FEM)

当所では、主に、汎用非線形動的構造解析ソフトLS-DYNA(米国LSTC社製)を用いている。 自動車業界を含め、船舶・海洋分野においても、世界中で広く利用されている。特に、船舶の衝突・座礁解析においては、デファクトスタンダードとなりつつある。 衝突シミュレーションでは、時々刻々の時間領域シミュレーションを行う。これにより、接触してから構造物が座屈・崩壊・破壊に至る現象を高精度に推定することが可能である。 特に、時々刻々、有限要素(element)間の接触有無を判定して、接触摩擦を考慮した解析ができることで、衝突計算を実現している。 当該ソフトでは、構造解析の他に、流体-構造連成、熱-構造連成等のMulti-Phisicsな解析も可能である。 非線形構造解析において考慮されている主な非線形項目を以下に示す[13]。


 

2船全船衝突
シミュレーション


 
●衝突・座礁は、船舶の海難事故原因において高い割合を占めており、人命の安全確保及び海洋環境汚染防止の観点からも、 万一、そのような事故が発生した場合にも、船舶が沈没等しないように一定以上の耐衝突強度を確保することが重要である。

●船舶(特に大型船舶)は高価かつ非常に大規模な構造物であることから、実船衝突実験によって、船舶の耐衝突強度を評価することは現実的でなく、 高度な数値シミュレーション技術によって評価することが多い。

●当所では、船体重心に1質点6自由度の質量マトリクスを定義し、船体運動、付加水質量、静的復元力(Roll、Pitch)、 材料の破壊(Element kill法)、歪速度依存性(Cowper-Symonds則等)、部材同士の接触、摩擦等を考慮した高精度な2船全船衝突シミュレーションが実施可能である。 材料データとして、工学値を変換した相当塑性歪-相当応力を定義する。材料破壊を考慮するために破壊歪を用いている。破壊歪については、要素サイズ・3軸応力度影響等を考慮する必要があり、 材料構成則の定義にノウハウが必要である。





 


2船全船衝突シミュレーション例

衝突速度(VB)が船側ダメージに与える影響(例)




 


 


 


 
 

2船全船衝突シミュレーション結果例(アニメーション)








参考文献

(1) Yamada, Y., Endo, H., Pedersen, P.T., "Collapse Strength of the Bulbous Bow Structure in Oblique Collision", Proceedings of International Conference of Collision and Groundings of Ships (ICCGS-2004),pp.160-171, (2004)

(2) Yamada, Y., Endo, H., Kawano, H, "Collapse Mechanism of the Buffer Bow Structure on Axial Crushing", International Journal of Offshore and Polar Engineering (IJOPE),Vol. 15, No. 2, pp. 147-154, (2005)

(3) Yamada, Y., Endo, H., Pedersen, P.T., "Numerical Study on the Effect of Buffer Bow Structure in Ship-Ship Collision", Proceedings of The Fifteenth International Offshore and Polar Engineering Conference(ISOPE-2005), pp.604-611, (2005)

(4) Yamada, Y., Pedersen, P.T., , "Simplified Analysis Tool for Ship-Ship Collision", Proceedings of The Seventeenth International Socciety of Offshore and Polar Engineering Conference (ISOPE-2007),pp.3760-3767, (2007)

(5) Yamada, Y., Pedersen, P.T., Friis-Hansen, P., "The Effect of Buffer Bow Structures on Probabilistic Collision Damages of Oil Tankers", Proceedings of International Conference of Collision and Groundings of Ships (ICCGS-2007),pp.235-242, (2007)

(6) Yamada, Y., Pedersen, P.T., Friis-Hansen, P., "Risk Reducing Effect of Buffer Bow Structures on the Collision Damage of Oil Tankers", Risk Workshop at Technical University of Denmark,, (2007)

(7) Yamada, Y., Endo, H., , "Experimental and Numerical Study on the Collapse Strength of the Bulbous Bow Structure in Oblique Collision", Marine Technology,Vol.45, No.1, pp.42-53, (2008)

(8) Yamada, Y., Endo, H., Pedersen, P.T., "Effect of Buffer Bow Structure in Ship-Ship Collision", International Journal of Offshore and Polar Engineering (IJOPE),Vol.18, No.2, pp.133-141, (2008)

(9) Yamada, Y., Pedersen, P.T., , "A Benchmark Study of Procedures for Analysis of Axial Crushing of Bulbous Bows", Marine Structure,Vo.21, pp.257-293, (2008)

(10) Yamada, Y., Ogawa, Y., , "Study on the residual ultimate longitudinal strength of hull girder of a bulk carrier against a sagging moment after ship collision", Advances in Marine Structures - Guedes Soares and Fricke (eds), pp.429-436, (2011)

(11) 山田安平, “サギング・モーメントを受けるバルクキャリアの衝突後の残余船体縦曲げ最終強度について“, 日本船舶海洋工学会講演会論文集,Vol.18, (2014)

(12) Yamada, Y., “Numerical Study on the Residual Ultimate Strength of Hull Girder of a Bulk Carrier after Ship-Ship Collision, Proceedings of OMAE-2014,, (2014)

(13) 社団法人土木学会、”計算力学の常識” 、丸善(2009)