RESEARCH OVERVIEW
(2002年6月海上技術安全研究所研究発表会より)
操縦・制御研究グループ | 上野道雄, 二村 正 |
深海技術研究グループ | 安藤裕友, 大川 豊 |
東京大学生産技術研究所 | 浦 環, 浅川賢一, 藤井輝夫 |
(株)KDDI研究所 | 小島淳一 |
(株)海洋工学研究所 | 伊藤 譲 |
はじめに
本研究は、
東京大学生産技術研究所海中工学研究センター
との共同研究を通じて、索が作業の支障とならない無人無索潜水艇(AUV)と操作する人間がその場で状況を判断して必要な行動をおこなえる無人有索潜水艇(ROV)の特長を兼ね備えた深海モニター用小型ロボットシステムの開発を目的としています。
システムの概念設計と要素技術
ロボットシステムの運用形態は図-1のとおりです。
図-1システム運用概念図
環境条件は表-1のとおりです。
表-1 環境条件とビークルの機能
必要な要素技術の開発状況は次の通りです。
高速音響通信装置の開発
現状で世界最高速の128kbit/sの音響通信装置を開発しました(図-2)。通信周波数は100kHz帯、指向特性は±30度、伝送距離は500m以上です。
図-2高速音響通信装置
ビークルの遠隔操縦機能と自律機能
自律機能と情報伝達の時間遅れに対処するために画像フィルタとテンプレートマッチングの手法を用いたシステムを開発中です。
中継機の降下特性
海底に降下する際の挙動を明らかにするために、流体力計測データをもとにした降下状態の推定と深海域再現水槽での自由降下模型実験(図-3参照)を計画しています。この流場計測実験は海洋構造物試験水槽で実施しました。模型船はXY台車によって斜航や旋回の操縦運動状態に曳航されます。
図-3 中継機降下模型
軽量小型システムの統合化
圧力容器等を浅海域対応仕様に改めたプロトタイプを製作(図-4参照)することによって、本ロボットシステムが軽量小型のシステムとして実現可能であることを実証しました。
図-4 製作中のビークルのプロトタイプ
おわりに
本研究計画の最終年度である2002年度にはプロトタイプを用いた総合試験を計画しています。