MARINE DYNAMICS RESEARCH GROUP
運動性能研究グループでは、船の運動性能に関する研究を中心として、次世代型帆装船などの新形式船の研究や海中ロボットの技術開発など、海洋における移動体の運動性能に関する幅広い研究をおこなっています。
これらの研究に伴う実験については、実海域再現水槽での自由航走模型および拘束模型を使った実験、400m水槽・中水槽での拘束模型実験、変動風水洞での荷重計測・可視化実験、深海水槽での海中ロボット実験、さらに大型船や小型滑走艇の実海域実験など、目的に応じて多岐にわたっています。
運動性能研究グループは、海難事故原因の分析・究明や安全に関する国際基準および国内基準への技術的対応、所内外の研究課題の遂行、各種請負・共同研究等を通じて、安全で高度な海事技術の発展に貢献したいと考えています。
当グループで実施中の研究テーマと最近の技術トピックについてご紹介します。
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模型船の(見掛けの)抵抗を自由に操る-補助推力装置の開発-
模型実験の良いところは実際の現象を直接計測できることです。ところが、模型船は実際の船よりずいぶん小さいので、模型船の形を実際の船と同じになるように作っても模型船の現象は実際の船の現象とは必ずしも同じにはなりません。船の抵抗もそんな現象の一つです。この問題を解決して模型船の見掛けの抵抗を操ることのできる装置を作りました。
実海域での船速低下と燃料消費の直接評価-主機特性模擬自航装置の開発と応用-
船の推進性能を調べるためには幾何的に同じ形をした模型船を使った水槽試験を行います。そして、模型試験を行う時はモーターを制御してプロペラの回転速度を一定にするのが普通です。ところが、実船のエンジンは負荷の大きさに応じて回転速度が変わります。そこで、実際のエンジンの動き方を再現したモーターを製作し、その制御方法を工夫することで模型試験で実船の推進性能を直に調べる方法を開発しました。
模型船の運動を実船と相似にする-舵効き船速修正-
模型船の形を実際の船と同じになるように作っても模型船におこる現象は実際の船におこる現象とは必ずしも同じにはなりません。舵を取ったときの旋回運動や風や波による速度の変化も実はそういう現象です。この問題を解決して模型船を使った実験で実際の船の動きを調べる方法を見つけました。
ビークル試作機の性能試験(深海モニター用小型ロボットシステム) (動画)
中継機模型の降下実験(深海モニター用小型ロボットシステム) (動画)