知識システム研究グループ
シミュレータ研究グループ

KNOWLEDGE SYSTEM & SIMULATOR

海上輸送の分野において船員不足が深刻な問題となっており、船員を含めて社会に受け入れられる省人化や無人化が求められています。知識システム研究グループとシミュレータ研究グループでは、情報通信を活用した運航支援技術の研究、新しい支援システムに対する安全評価技術の研究等を実施しています。また、海難事故原因の大半を占めるとされる見張り不十分や操船不適切等のヒューマンファクターによる事故を削減し海上輸送の安全性の向上を図るため、SHS(操船シミュレータ)による再現を用いた海難事故解析技術の研究開発を実施しています。


メンバー
知識システム研究グループ

(◎はグループ長)


メンバー
シミュレータ研究グループ

(◎はグループ長)


研究紹介

1.自動運航に係る要素技術の開発

〇自動避航操船に係る技術開発
相手船による航行妨害ゾーン(OZT: Obstacle Zone by Target)を基礎として安全な避航計画を生成するアルゴリズムの研究開発を行っています。

避航操船システム情報表示画面


〇自動着桟操船に係る技術開発
風の影響をうける着桟操船時の低速状態の運動予測技術の向上及び風外乱に対応する2自由度制御の導入など安定した着桟操船アルゴリズムの研究開発を行っています。

制御と状態監視のための自動着桟ソフトウェア「AutoBerth」


〇カメラ他船監視システムの技術開発

立体視による他船検出システム、小型実験船「神峰」でのカメラ他船監視システムの研究開発を行っています。また、自動避航システムとの連携や検出された情報を陸上と共有する遠隔監視・操船の研究等も行っています。

遠隔操船カメラ画像例



〇自動化システムの安全性評価手法の研究
自動避航/自動離着桟アルゴリズムの評価、自動運航船のリスク解析で抽出されたHazardに対する対策など人の関与を考慮した評価の研究開発を行っています。



2.総合シミュレーションシステムの開発

総合シミュレーションシステム(FTSSイメージ)

総合シミュレーションシステム(SHS)


本研究グループの主要な施設である総合シミュレーションシステムは、高速シミュレーションが可能なFTSS(Fast Time Ship Simulator)と操船環境を模擬したSHS(Ship Handling Simulator:操船シミュレータ)で構成されており、操船自動化システムをFTSSやSHSと連携させた安全性評価の研究開発等を実施しています。また、SHSは、操船環境をリアルに再現する直径13mの円筒スクリーン、高度な操船技術が必要となる離着桟作業を模擬できる下方視界スクリーン及び操船者の行動を計測するシステム、生理データを収集するシステムを備え、海難事故の解析、船内作業支援装置、航海機器・装置の開発や新船型船舶の実海域における評価等を行う施設です。


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