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令和6年9月5日

実海域省エネ装置STEPを装着したフェリー「さんふらわあ ぴりか」が進水しました
~船首水面上の付加物により燃費悪化を抑え、地球温暖化防止に貢献~

国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 峰本 健正)が、内海造船株式会社(取締役社長 寺尾 弘志)と共同開発した実海域省エネ装置STEP(ステップ)を装着したフェリー「さんふらわあ ぴりか」が令和6年9月4日に進水しました。
今回の装着で17隻目となり、海運分野からの一層の地球温暖化防止に貢献いたします。

海運分野からの地球温暖化防止を進めるため、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 峰本 健正)は、内海造船株式会社(取締役社長 寺尾 弘志)と共同で「実海域省エネ装置STEP(ステップ)」を開発しています。STEPはレトロフィットも可能な省エネ装置であることが特徴です。
このたび、フェリー「さんふらわあ かむい」に続き、姉妹船「さんふらわあ ぴりか」にSTEPを装着し、進水しましたのでお知らせします。
さんふらわあ ぴりか(全長約199.40m)は、今後艤装を進め、大洗~苫小牧航路に就航する予定です。


(解説)

  • 船首水面上に矩形の付加物を設置することにより波浪中での燃費悪化を抑える装置です。対象船はコンテナ船や自動車運搬船等の水線面形状が凹型(図1参照)の痩型船です。自動車運搬船で実船計測を行い、燃費性能が波浪中で約3%向上することを確認しています。船の自走により生じる航走波よりも上部に設置することで平水中性能の最適化を図れるとともに、海洋波による抵抗を減少させます(図2参照)。
  • 内海造船株式会社にて自動車運搬船やRo-Ro船(トラック・トレーラー等を車両ごと輸送するため車両甲板を有する貨物船)、フェリーにSTEPを装着し、新造船装着14隻、レトロフィット(就航船への追加装着)2隻(図3参照)を行ってきました。

さんふらわあ ぴりかの進水式

実海域省エネ装置STEP(さんふらわあ ぴりかに装着)


船首部分に装備されたSTEP

船首部分に装備されたSTEP(写真中心の矩形の付加物)


凹型(痩型船:コンテナ船や自動車運搬船等)

凸型(肥大船:タンカーや撒積船等)

図1 船体の船首部水線面形状(静止水面上の船体形状を表し、上部からみたもの)


図2 STEPの設置

図2 STEPの設置(船首部側面図)


図3 レトロフィット工事の様子(内航RoRo貨物船)(内海造船瀬戸田工場)